【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(4)めざせソーラーにっぽん!~太陽光発電の将来性と、それを取り巻く日本企業に注目する~

アメリカでのオバマ大統領の就任以降、環境配慮という意味でも、金融恐慌後の新産業の育成という意味でも、世界的に脚光を浴びているのが太陽光発電の業界です。以前のvizlogの通り、日本でもちょうど先週3月18日の経済財政諮問会議で、麻生首相自らが「日本は太陽光発電や電気自動車の分野で世界をリードすべきだ」と述べるなど、今後の政策的後押しも期待される有望産業だと思います。今回は、その太陽光発電に関わる企業群について、IEA(国際エネルギー機関)や太陽光発電協会のデータから、【太陽電池生産量:国別(2007年)】【太陽電池生産量:企業別(2005年、2007年)をグラフ化しました。日本、そして日本企業の立ち位置を見てみましょう。
日本の太陽電池、上述のvizlogでも見たように、導入のスピードは緩やかなものの、出荷量自体は順調に上昇してきていました。そして、グラフ1の通り、太陽電池生産量では世界でも、2位ドイツとの接戦を制して、1位の地位を何とか保っている状況です。さて、日本の1位に寄与しているような企業は一体どの企業なのでしょうか?
tag:
グラフの右下のボタンをクリックして、グラフ2、3をご覧下さい。どちらのグラフにも、シャープ、京セラ、三洋電機、三菱電機の日本企業4社が登場しています。ただ、両方のグラフを見比べてみると、2005年から20007年の間に、どの会社も一様にシェアを落としており、逆に欧米勢がそのシェアを少しずつ上げて来ています。IEAの資料では、上記4社の他、カネカ、三菱重工、日立、富士電機、ホンダ、昭和シェル石油等が、太陽電池、及び太陽電池モジュールの生産者として挙げられており、特にこれら日本企業の奮起が期待されるところです。
tag:
最後に、上記グラフ4で、製造方法をめぐるトレンドを見てみます。これまで主流であった結晶型の成長が近年緩やかになってきた一方で、薄膜型の成長が少しずつ見え始めて来ています。事実、2005年度から2007年度に至るまで、単結晶型の出荷は330.5MWから310MWに、多結晶型は 515MWから516MWに、それぞれ年度ベースではほぼ横ばいとなっている反面、薄膜型は38.3MWから80.8MWへと大きな伸びを見せています。
この薄膜型こそが、現在最も注目されているもので、今後世界的にも太陽電池総供給量に占める構成比が高まることが予想されています。薄膜型は、劣化が起きにくいというメリットがある一方、一般的に変換効率が結晶型に比べて低いため、それを高めるための技術と、実現するための大きな投資が必要です。その余力のあるメーカーは世界でも限られていることから、シャープ、カネカ、三菱重工等太陽電池メーカーや、東京エレクトロン、アルバック等製造装置メーカーなど、日本企業の活躍の余地も大きいと考えられます。
ソーラー・にっぽんの復活、ひいては「ものづくりニッポン」の復活に向けて、上記日本企業の活躍、それに日本政府の今後のアクションに、引き続き注目して行ければと思います。
(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)
→関連vizlog記事:
・【特集】グラフで見る日本の現状と将来:(7)エネルギーと環境の両立に向けて~太陽光発電~(2009年3月25日)
・日本は京都の約束を守れるか!?(2009年1月30日)
–
Data source: IEA(http://www.iea-pvps.org/products/download/rep1_17.pdf、http://www.iea-pvps.org/products/download/rep1_15.pdf)、太陽光発電協会(http://www.jpea.gr.jp/pdf/qlg_cy.pdf、http://www.jpea.gr.jp/pdf/qlg2007.pdf)
4 件のコメント
Other Links to this Post
-
【特集】グラフで見る日本の現状と将来:(7)エネルギーと環境の両立に向けて~太陽光発電~ | vizooを使ったグラフとブログ - vizlog - — 2009年 3 月 27日 金曜日 @ 9:51 am
-
3分で分かるお役立ち海外ニュース:(1)アジア勢に遅れを取った米国の次世代電池メーカー、1,900億円の景気対策予算を獲得し、挽回を狙う! | vizooを使ったグラフとブログ - vizlog - — 2009年 5 月 30日 土曜日 @ 5:43 am
-
アルバック株が年初来高値更新、世界最高性能の太陽電池装置開発報道で | vizooを使ったグラフとブログ - vizlog - — 2009年 6 月 23日 火曜日 @ 11:39 am
-
昭和シェル石油 サウジアラビアで太陽光発電事業を始める。地球温暖化対策で太陽光発電は成長分野になるか? | vizooを使ったグラフとブログ - vizlog - — 2009年 6 月 25日 木曜日 @ 1:07 am
このコメント欄の RSS フィード TrackBack URI
コメントをどうぞ
Additional comments powered by BackType







