【特集】グラフで見る日本の現状と将来:(7)エネルギーと環境の両立に向けて~太陽光発電~

エネルギーと環境の両立という題材について考える際、第一に連想するエネルギー源は、太陽光発電、風力発電をはじめとした新エネルギーになるのだと思います。「新エネルギー」とは、「自然のプロセス由来で絶えず補給される太陽、風力、バイオマス、地熱、水力などから生成される「再生エネルギー」のうち、その普及のために支援を必要とするもの」との定義で、具体的には、大規模水力を除いた中小水力、太陽光発電、風力発電等を指しています。これら新エネルギーは、エネルギー自給率の向上や地球温暖化対策に資する貴重なエネルギーとして、官民挙げてその普及に取り組んでいるのは周知の通りです。
目標は2010年度に新エネルギー割合3%以上!
日本は、現在1次エネルギー供給に占める新エネルギーの割合(水力、地熱を除く)は約2.0%にとどまっていますが、政府はこの比率を、2010年度には3.0%程度にまで引き上げる目標を設定しています。実際の拡大のイメージをより明確に持つために、具体的なエネルギー源毎に、2005年度時点の実績と、2010年度の目標数値を見比べてみます。下記グラフ1と2で、両者を比較してみてください。
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上記2つのグラフは、新エネルギー導入目標の中でも、発電分野の目標に限定して見ています。発電分野合計で、2005年度実績の330.9万kLを、2010年にはその約2.5倍の838万kLに引き上げる計画になっています。さらに、これに熱利用分野も加えた、新エネルギーの供給合計は、1,160万kLから1,910万kL、対1次エネルギー比で2.0%から、3.0%程度への向上を目指しており、政府はこの目標達成のために、自治体、事業者、NPO等に向けた様々な支援を行っていく予定です。
さて、この中でも注目の新エネルギーは、2005年度比で2010年度にはそれぞれ約3倍に利用を拡大していく予定の、太陽光発電と風力発電です。以降、まず今回は、5年で3.4倍に拡大する計画となっている太陽光発電について、これまでの実績も含めて簡単に見て行きたいと思います。
ソーラー・ニッポンの復活に向けて
まずは日本の現状について、太陽光発電協会発表の数字をベースに、下記グラフ化しています。はじめにグラフ3で示しているのが、太陽電池出荷量とその仕向け地別出荷量の推移で、四半期ベースで多少のバラつきはあるものの、基本的には上昇基調を辿っているのが見て取れます。例えば、2008年度の第3四半期までの総出荷量は876.24MWと、前年同期比で37.5%の増加となっています。一方で、仕向け地別に見ると、海外向けの伸びに比べて、国内向けが2005年度くらいを境に、非常に弱い動きとなっているようです。何故なのでしょうか?
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グラフ右下の「2」のボタンをクリックして、グラフ4をご覧ください。国内向け出荷の減少の要因を探るために、日本国内向けの用途別出荷量について見てみると、産業用は、低水準ながら、年度ベースで一定の水準を保っている一方、住宅用の減少が目立ちます。事実、2005年度の約305MWに対して、2007年度は約210MWと、産業用が同期間に微増(31.7MW→32.2MW)していることを考慮すると、国内向け出荷量減少のほぼ全てを説明できることになります。これは2006年度に政府が家庭用発電装置の補助金を打ち切ったことが主な原因と考えられ、普及促進に向けての政策的後押しの重要性を確認できます。
これらが影響したのか、グラフ5(グラフ右下の「3」をクリック!)のIEAのデータで、主要国の太陽光発電導入量を比べると、日本は右肩上がりの導入が進んでいるものの、ドイツでの急速な普及で、2004年から2005年にかけて、それまでの世界1位の地位を譲っています。
以上の状況や、オバマ大統領後のアメリカを中心に世界的に高まる環境への関心を踏まえ、日本でも新たに政府が動き出しています。
1つの鍵は、ドイツでの普及の鍵ともなった、余剰電力の買取制度だと考えます。現在は、一般家庭などで太陽電池パネルで発電した余剰電力は、1キロワット時あたり約24円で電力会社が自発的に買い取られていますが、経済産業省は今後、それを同約50円、10年程度での購入の義務付けに向けて、新制度の導入の方針を打ち出しています。先週3月18日の経済財政諮問会議でも、麻生首相自らが「日本は太陽光発電や電気自動車の分野で世界をリードすべきだ」と伸べるなど、ソーラー・ニッポンの復活に向けて、今後の政策的後押しが期待されるところです。
→関連vizlog記事:【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(4)めざせソーラーにっぽん!~太陽光発電の将来性と、それを取り巻く日本企業に注目する~(2009年3月27日)
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Data source: 資源エネルギー庁(http://www.enecho.meti.go.jp/index_pamph.htm)、太陽光発電協会(http://www.jpea.gr.jp/04doc01.html)、IEA(http://www.iea-pvps.org/products/download/rep1_17.pdf)
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