【特集】Twitter - 急成長でFacebook超えなるか!? このエントリーを含むはてなブックマーク

去年からシリコンバレーも例外なく、不況のあおりを受けている。今年2月にはカリフォルニアの失業率はこの26年間最低の10.5%(2009年2月)、シリコンバレーの失業率は9.4%まで上昇した。

統計値ってなかなか実感が沸かないことも多いが、今回はちょっと違う。会社での大幅リストラはもちろんのこと、出張費カット、食堂でのランチの値上げ、無料だったソーダの廃止など、日々の生活にもその影響は直撃だ。また、あの王者グーグルでさえいくつかのカフェテリアを閉鎖したり、ランチの質を下げているという話を聞くと、ますますダメージの大きさを実感させられる。グーグルのランチの質って、ある意味シリコンバレーの景気を示す一種の指標のようなものになっていて面白い。5年前はフォアグラ、ギネスビールに海外ブランドのミネラルウォーターだったのが、今はバーガー(でもオーガニックだったりする)、バドワイザーに水道水。それでもただならいいだろうと言いたくなる気持ちは押さえつつも、痛手の大きさを実感させられる。

そんなパッとした話題の少ないシリコンバレーで、最近ひと際業界を騒がせているのがTwitter。騒がしているというよりも、”再び”騒がしている、という方が正確かもしれない。このあたりでベンチャーが騒がれるのにはいくつかのパターンがある。純粋にサービスが伸びたり話題性のあるプロダクトが出た場合と、大型資金調達に成功したり買収の噂が持ち上がったりした場合。それ以外にも投資しているベンチャーキャピタルが何か仕掛けているのでは?と思わざるを得ないようなケースもある。つまり口コミの仕掛人がいるように思えることが結構あるのだ。というのも、特にサービスが変わったわけでもないし買収の話があったわけでもないのに、いきなり記事が増えるケースをたまに見かけることがあるので。Twitterの場合、去年後半から今年始めにかけて、このすべてが一度に起こった印象がある。

Twitterはサンフランシスコを拠点に、2006年にアメリカでサービスを開始。サービスは、’What are you doing?’という質問に答える形式のアップデートを送り合うという至ってシンプルなもの。そのアップデート(通称Tweets)はウェブ経由、テキストメッセージ、インスタントメッセージなどの手段で一斉にブロードキャストされる。つまり友達であろうと、見ず知らずの人だろうが、誰のアップデートでもリアルタイムで受け取れるのだ。

去年の選挙戦をきっかけに、Barack Obama、Hillary Clintonをはじめ、多様な顔ぶれの有名人たちがTwitterを使い始めた。有名人では、Britney Spears、 ツール・ド・フランスで有名なLance Armstrongなど。彼らにとってTwitterはマーケティングツールであると同時に、(特に政治家にとっては)それ以上に若者層を理解しているというメッセージを送る効果が大きい。実際、選挙戦中はもっぱら、アナログなMcCainに対してブラックベリーを使いこなすObamaのテクノロジーに対する理解、つまり若さの象徴として話題になっていたように、政治家にとって若者層との距離を縮めることは常に挑戦なんだろう。麻生総理の漫画オタク宣言のようなものだ。そのような有名人がこぞってTwitterを使い始めたことで、その知名度は急上昇した。ユーザー数を見ても(グラフ1)選挙の行われた11月近辺から急激に増加したのが一目瞭然だ。

グラフ1


tag:

http://www.techchuck.com/2009/03/23/comparing-twitters-growth-to-facebook-and-google/

また個人だけではなく、企業によるビジネス目的での利用も急激に伸びている。例えばCiscoやSun、Wholefoods(オーガニック系の高級スーパーマーケット)が公式アカウントを使って新製品の情報発信などを消費者に送っている。この手の使い道は容易に想像がつくのだが、それ以外にも面白い使い方がはやっている。企業からの情報発信に留まらず、逆に消費者からのフィードバックを得る手段として利用しているのだ。例えばIBMだとしたら、’IBM’という言葉が含まれたメッセージをすべて読めるように設定できる。実際の話として、わたしの知り合いが「近所のFedexステーションが閉鎖して困った〜」という愚痴を何気なくブロードキャストしたら(もちろん友達しか読まないだろうというノリで)、フェデックス公式アカウントから「そのエリアならここにも近いステーションがありますよ」とメッセージが即時に送られてきたらしい。。。また別の知人が何気なくテレビで見ていたK1についてコメントしたら、それ以降K1の公式アカウントが”follower”として彼のTweetsが常にチェックしている。すごいと言うのか、常にモニターされているようで怖いと言うのか微妙なところだが、使い方としては面白い。今までだったら「お客様の声」の収集方法はユーザーが自主的に連絡する場合に限られていたが、Twitterのこのような利用により、気軽な愚痴やポツリとこぼす本音が企業にまで伝わるのだ。

ビジネス目的の利用と言えば、何も大企業に限られた話ではない。最近ロスで夜遊びや飲み帰りの若者に大人気なのが、韓国風タコス(韓国風焼き肉類をタコスと同じ生地で包んだもの?)。 この移動式屋台Kogi(http://kogibbq.com/)も、Twitter経由で人気が出たらしい。数ヶ月で口コミが広がり、 毎日変わる出店場所もTwitterで更新されている。セレブや大企業だけでなく、アントレプレナーが低予算で(ていうかほぼ無料)口コミを仕掛けるには最適な手段かもしれない。

もう一つの利用方法としては、ちょっと大げさに聞こえるかもしれないが、世の中のニュースや、はやりごとのスナップショットが見えるということ。何百人という人たちが今という瞬間に何に興味を持っていて、どういうトピックスについて情報交換しているのか、というキーワードベースのトレンドが見られるようになっているので、ある意味世界で今起こっている出来事のスナップショットが見えてくる。しかも情報が出回る早さはオンラインニュースや検索サービスで探すよりも早かったりする。今年1月に起こった、ニューヨーク市付近ハドソン川での不時着水事故の際も、iphoneで撮影された写真がTwitter経由で、どのメディアよりも早く世の中に出回った。

その他にTwitterがやたらと騒がれるようになった理由、それはFacebookからの買収提案だ。昨年末にFacebookからの5億USドルでのオファーを拒否したが、今年の2月には第3ラウンドのファンディングで3,500万USドルと発表。この不景気の影響で投資を集めるのがどんどん難しくなっている中、このニュースで周囲は「これは何かあるのでは」とさらに騒がしくなった。今もGoogleやFacebookをはじめ買収の噂は絶えない。

それもそのはず、2008年2月と2009年2月を比較すると、1382%という競合の中でも飛び抜けた伸びを見せている(グラフ2)。絶対値ではまだまだfacebookやmyspaceなど大物に及ばないが、成長率でははるかにうわまっている。またTwitterの場合は必ずしもホームページ経由で利用するわけではないし、モバイルからの利用が他に比べても相当多いとされているので、実際の利用者数はもっと多いと推測されている。

グラフ2


tag:

http://www.nielsen-online.com/press.jsp?section=newsletter_em_filter&nav=2

では最後に、コラムの冒頭で触れたGoogleカフェテリアの話じゃないけど、もう少し直感的に彼らのすごさがわかるネタを紹介。

先週の週刊誌によると、女優のJennifer AnistonとミュージシャンのJohn Mayerとの破局の原因もTwitterだったらしい。John Mayerはいつも仕事で忙しくて会う時間がないと言いながら、四六時中Twitterしていたことが発覚。そりゃ有名人でメッセージが公にブロードキャストされるとなれば、彼女に見つからないわけがなく、彼の嘘がばれて破局したらしい。そんなセレブな2人を破局させたTwitter、直感的に大物だなって響きません?

その他のシリコンバレー関連トピックスもこちらのブログに載せています:
http://japaneseinsiliconvalley.blogspot.com/

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