為替レートの変動に振り回される、国内自動車大手の業績 このエントリーを含むはてなブックマーク

最近日本円の対米ドルレートが90円台後半まで回復し、100円台まであと一歩のところまできた。12月上旬に帰国した時は、1ドル90円台前半を推移していて、米ドル家計の私の財布にはかなり痛かった。いつもなら、日本で買い物や食事をする時も、1ドル110円のどんぶり勘定で、「いやー、日本は何を食べても美味しいわりには、値段がリーズナブル。背が低く足のサイズが小さい私に合うサイズが沢山あって、買い物三昧だー」と、ついつい財布の紐がゆるくなる。成田第二ターミナル内のユニクロ愛用の私には、1ドル90円になると、ユニクロの一着千円のヒートテックの長袖下着が急に高くなる。「これ一着10ドル以上か。。。どうしようかな。」たかが1ドルについき約20円の差とはといえ、千円のものが換算して10ドル以下か以上になるかとでは、なにか精神的なギャップが生まれ、急に購買力が低下している自分に気づく。

次元がだいぶ違うが、日本の自動車業界も為替の変動にかなり悩まされているようだ。「世界最強」の王冠を輝かせていたトヨタ自動車が、「赤字企業」に転落するなどとは、誰も夢にも思っていなかっただろう。日本の大手自動車企業にとって、米国ビッグ3の経営が低迷している今、そのすばらしい技術力で、世界の主要市場でシェアを一揆に伸ばすパーフェクト・ストームを狙うチャンスだったが、サブプライムローン問題から発生したアメリカ、世界経済の低迷、原料コストの高騰。さらにその上、円高。海外で現地生産はしているものの、輸出産業の自動車業界には円高は痛い。北米市場への依存度が高く、北米での販売台数は日本国内を上回っているうえ、売上高が円換算されるときに為替の影響を受ける。

新聞メディアなどでも、対米ドル為替レートが円高方向に1円動くと数億円規模で営業利益に影響があるという、想像もつかない額を目にする。国内自動車大手3社、トヨタホンダ日産の業績がどれだけ為替レート変動の推移に比例しているのだろう?売上高もさることながら、為替変動はコスト面にも影響があるはずなので、影響が顕著に出そうな営業利益率で比較してみよう。


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米ドル以外に、ためしに欧州ユーロの為替レートもプロットしてみた。過去10年を振り返ると、確かに欧州ユーロよりは、どちらかというと米ドルの推移の方に動きが似ているように見える。2001年度期(2002年3月31日終了年度)から2004年度期にかけても円高ドル安傾向にあり、各社の営業利益率が多少は減少した。こうしてみると、今回の円高ドル安時に、あれだけ営業利益率が下がったのは、為替影響以外の影響があるのではないかと思える。アメリカ不況から始まった世界経済への影響が国内の自動車業界に及ぼしている影響は、そうとうな規模だったことが想像できる。

話はそれるが、トヨタと日産は、2008年度期(2009年3月31日終了年度)に営業赤字を予測している。一方のホンダは、業績予測を下方に修正したものの、営業黒字維持を予測。ホンダは四輪車で北米の依存度が非常に高い。売上高ベースで、北米は日本の4倍弱。それにもかかわらず、営業黒字を維持できるのは、二輪事業を抱えているからではないかと思われる。二輪事業の地域別売上高を見ると、北米、欧州よりも、アジア、その他の地域(日本、北米、欧州、アジア以外)の売上げがダントツである。アジア、その他の地域は、北米、欧州の2倍かそれ以上。アジアやその他の地域では、二輪は嗜好品というよりは、必需品になっているのかもしれない。製品と市場の多様化が救いとなったケースと言えるかもしれない。

ついでに、売上高と為替レート変動を比較してみた。


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う~ん。。。。この「逆への字」型は、一見欧州ユーロのレート変動と類似しているように見えるが、どちらかというと、販売台数減少による売上高の低下、つまり不景気の影響かな、と思う。みなさんはどう思います?

お断り: ここで取り上げた国内自動車3社は、リースや販売ファイナンスを行う金融事業を営んでいる。売上高と営業利益率にはこの金融事業を含んでいるが、全体に対する割合が少ないため(例えばトヨタでは、金融事業は全体の売上高の約5%)、便宜上連結の合計で比較。為替レートの推移は、営業年度4月から3月の平均。

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Data source:  各社IRサイトより、アニュアルレポートより過去の業績と、証券取引所提出書類「業績修正に関する知らせ」より、2009年3月31日終了期の業績予測を使用。トヨタ(http://www.toyota.co.jp/jp/ir/index.html)、ホンダ(http://www.honda.co.jp/investors/?size=1)、日産(http://www.nissan.co.jp/CORPORATE/TOP/

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