【特集】グラフで見る日本の現状と将来:(8)エネルギーと環境の両立に向けて~風力発電~
「エネルギーと環境の両立」のキーワードで最後に見て行きたいのは、風力発電です。これも太陽光発電と同じく「新エネルギー」の一つで、「2010年度に新エネルギー割合3%以上!」を達成するためには無くてはならないエネルギー源になります。これら「新エネルギー」は、エネルギー自給率の向上や地球環境対策に資するばかりでなく、今後の経済成長を支える重要な産業としても、今後益々注目を集めることになるでしょう。
日本は風力発電の世界ではまだ途上国?!
風力発電は、開発可能な量だけで人類の電力需要を充分に賄える資源量があるとも言われています。世界全体で少なくとも約72TW(テラワット)が風力によって発電可能とされ、これは世界全体の電力需要量(14TW)の約5倍に相当します。まずはグラフ1で現状を確認すると、世界の風力発電導入量は、ここ10年で10倍以上に伸びてきており、今後も25%前後の成長が予想されています。一方、その25%のままに伸びても、2010年時点で190GW程度の導入量であり、前述の72TWとも言われるキャパシティから見ると、まだまだ成長の余地がありそうです。
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さてこの風力発電、太陽光発電と比較しても、夜間でも発電可能であったり、発電効率が高かったりといった利点がある一方、出力電力の不安定・不確実性や、周辺環境への影響から、特に設置場所の選定には注意を要するため、それもあって世界の中でも地域間で普及度合いにバラつきが見られます。グラフ2(グラフ右下の「2」をクリック!)でそれを確認すると、米国、中国のような広大な国土を持つ大国のほか、ドイツ、スペインをはじめとした欧州各国の名前が上位に並んでいます。一方、日本は導入量世界13番目でシェア1.5%程度、この位置はここ数年でも変化はしていません。
次にグラフ3(グラフ右下の「3」をクリック!)で、地域毎に見た、今後の導入量予測を見てみます。これまで圧倒的な導入量を誇っていた欧州がその順調な成長を続けながらも、北米、アジアがそれをさらに上回る大きな成長率で、導入量を伸ばして行く予想になっています。特にアジアの成長は顕著で、毎年年間導入量を伸ばしながら、2013年には総導入量でも欧州に並ぶとのこと。中国、インド等既に上位に位置する大国が、この成長を牽引すると考えられるものの、同時に日本の成長も期待されるところです。
エネルギーと環境の両立、さらに経済成長を目指して
グラフ4、5で、日本の現状とトレンドについて、個別に見てみます。まずはグラフ4が、日本での導入量と導入基数になります(なお、グラフ4は3月末締の年度データであるため、暦年ベースのグラフ1とは異なる点に注意)。ご覧のように、日本でも導入量、導入基数共に、その成長のペースは早いものの、それでもここ数年は、その前10年と比べると成長速度が弱まっています。事実、2007年度の成長率は12.4%で、世界規模での成長率25%程度より緩やかな数字です。グラフ5(下記グラフ右下の「2」をクリック!)は、日本での風力発電設備の導入元を、国産と海外産に分けて見ています。ご覧の通り、圧倒的に海外からの輸入が多く、これがコストの変動や導入までの期間等とも絡み、日本での普及が比較的遅れている一つの要因になっているかも知れません。
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さて、今回も含め、これまで3回に亘り「エネルギーと環境の両立」をキーワードに、原子力発電、さらに太陽光発電や風力発電のような新エネルギーについて、 現状とトレンドを見てきました。これらの分野は、上記「エネルギーと環境の両立」をいう大きな目標達成に不可欠な分野であると同時に、今後の経済を支える重要産業としての位置付けでも、今後益々重要になってくると思われます。
最後にグラフ6(上記グラフ右下の「3」をクリック!)にご注目ください。世界風力エネルギー協会(WWEA: World Wind Energy Association)の予想によると、風力発電業界の雇用者数は、2005年から2008年まででほぼ倍増、2008年から2010年にはそこから1.5倍と、新しい雇用創出が予想されています。本コラムの前半で提起した様々な雇用問題も、一番の解決策は新しい雇用を創り出すことである事実を考えても、エネルギー、環境、経済成長の3本柱のバランスを取るための新エネルギーへの投資を促進するような政策を、今後もスピード感を持って打ち出して欲しいと思います。
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Data source: World Wind Energy Association (http://www.wwindea.org/home/images/stories/worldwindenergyreport2008_s.pdf)、Global Wind Energy Council(http://www.gwec.net/fileadmin/documents/Publications/Report_2008/Global_Wind_2008_Report.pdf)、NEDO(http://www.nedo.go.jp/library/fuuryoku/index.html)





