Category: 不況下の増収増益企業

【特集】不況下の増収増益企業:(4)ぐるなび(2440)

最近、もつなべ屋をオープンさせた友人から、「まずは地域の挨拶回りをして、それから友人・知人にとにかくメールをして、そのあとは「ぐるなび」で・・・」、という初期マーケティング・プランを耳にしました。「不景気で外食産業が・・・」とか、「競合が出てきているから・・・」とか色々と言われる中でも、やはり「ぐるなび」は外食産業の中である意味自然に選ばれるようなMustな存在になってきているのかな、と思った瞬間でした。今回は、それがイメージだけではない様子を、可視化(=グラフ化)しながら確認してみたいと思います。


tag:

まずは1枚目の業績推移から。四半期業績の推移を見てみると、売上はご覧の通りのきれいな右肩上がりになっています。営業利益と営業利益率は、期間限定の販促活動や人員増のタイミングなどによって、多少四半期ベースでは上下していますが、通期で見ると、前期2,720百万円、17.4%から、今期予想3,742百万円、19.2%と、順調に伸ばしてきているようです。

次に、この好調の裏にある要素を、「ぐるなび」に登録する店舗側と、「ぐるなび」を見て店舗を決めるユーザー側の両面から、会社のビジネスデータを参考にグラフ化してみました。

まずは店舗側、2枚目のグラフ(グラフ右下のボタンをクリック!)を見てください。「ぐるなび」の収益構造は実にシンプルで、有料で「ぐるなび」上で販促を行う加盟店舗数と、各加盟店が「ぐるなび」をどれだけ活用するかで動く加盟店あたりの単価で、売上は決まってきます。グラフを見ると、その加盟店の総数、月額の加盟店単価(実際の計算は「月額売上高÷((前四半期末店舗数+当四半期末店舗数)÷2)」)共に順調に伸びてきています。特に、月額5万円以上でパックサービスを提供している「販促正会員数」が大きく伸びており、ここ2年で60%増(加盟店は30%増)!これが「ぐるなび」の成長を支えていると言えるのでしょう。

さて、注目は今後ですが、総務省の事業所調査によると、2006年の飲食店数は約72.5万店、さらに「ぐるなび」の昨年末の総掲載店舗数(これが目先の潜在顧客プール?)が50万店ですから、現在の加盟店総数はそのまだ1割にも満たず、引き続き成長のプールは十分にありそうです。

次に、ユーザー側、3枚目のグラフ(グラフ右下のボタンをクリック!)を見てください。ぐるなび会員数も順調に伸びてきており、上記店舗の伸びと合わせると、「多くの人が見る→出す店舗数が増える→さらに多くの人が見る・・・」という好循環を保っています。どれだけサイトが見られたかを示すPV(ページビュー)も、昨年末で月間8.5億PVで、例えば「食べログ」の1.14億PV(今年1月末)と比較して、まだまだ優位な位置にいるようです。

折りしも昨日正式に支給が決まった定額給付金。「たまには外食でもするかー 」となったら、やっぱり「ぐるなび」を見る人も少なくないのではないでしょうか。そして、そんなあなたがいる限り、「ぐるなび」の成長はまだまだ続きます!



Data source: 会社HP(http://www.gnavi.co.jp/company/ir/library.html)、外食産業総合調査研究センター(http://www.gaishokusoken.jp/pages/index.cfm/statistical)、総務省(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001008300&cycode=0

【特集】不況下の増収増益企業:(3)日医工(4541)

今回は、最近テーマとして言及されることも多い後発医薬品(ジェネリック薬)メーカーの中から、日医工(4541)を見てみます。日本では政府が「平成24年度までに後発医薬品の数量シェアを30%(現状から倍増)以上にする」目標を立てて様々な施策を打つなど、時代の追い風にも乗って、この不況下でも増収増益が続いています。


tag:

(グラフ1:2009年度以降は会社計画、グラフ2:会社予想、グラフ3:Teva予想)


11月決算のこの会社、前期も33%増収、24%営業増益と言う素晴らしい実績でしたが、今期はさらに強い33%増収、35%営業増益の予想。前述の政府方針に基づき、昨年4月に後発医薬品の処方せん様式の変更や診療報酬改定による後発医薬品調剤体制加算などの制度変更で、後発医薬品の本格普及が始まっています。特に、広域卸を中心(個別売上に対する構成比約77%)とした幅広い販売ルートを持つ同社は、この普及の風に見事に乗っているようです。

1枚目のグラフを見てください。過去7年間の実績に、会社が先月発表した中期経営計画「Honeycomb 2012」の計画数字も入れて、グラフ化してみました。2002年度から前期まで、売上、営業利益をそれぞれ約3倍にまで引き上げてきましたが、2012年度までに、それをさらに3倍にする計画を置いています。前期の勢いそのままであれば現実的とも思えますが、このまま時代の波に乗り続けることが出来るのでしょうか?

2枚目のグラフを見てください(グラフ右下のボタンをクリック!)。金額ベースで見ると、医薬品市場全体の伸びは0.8~2.9%と低位安定の見込みの中、後発医薬品市場は毎年2ケタの伸びになると見られています。これは会社自身の予測ではありますが、政府の2012年までに「数量シェアを30%以上」という目標にも基づいたもので、ある程度現実味がありそうです。さらにこの「30%」という数字、アメリカ、イギリスは既に約65%、ドイツ、オランダも約50%ですから、制度や背景の違いはあれ、遅かれ早かれ日本も欧米各国のトレンドに追いついて行く、ということなのでしょう。

この日本の後発医薬品市場の成長は、世界からも注目されています。世界最大手Tevaの予測を見ると、グラフ3のように、日本の後発医薬品市場の2007~2012年の年平均成長率予想は22%!ここでは日本も、堂々BRICsの仲間入りですー。

もちろん、これだけの成長ストーリーには、不安要素も並存します。競争の激化による価格低下は、実際に既にアメリカで起こっている事象ですし、政策も絡むだけに政治リスクも少なからず存在するのでしょう。一方、国の医療費削減や患者の医療費負担軽減は待ったなしの状況の中で、市場全体の成長の恩恵が、今後も期待できるのは確か。本当の成長市場が少ない今だからこそ、大いに注目できる会社の一つだと思います。

振り返れば、2002年度~2008年度の売上、営業利益が3倍になった期間に、株価は約10倍になっています。今度本当にまた3倍を達成したら、その時株価は・・・?!なーんて、たまにはそんな夢を見るのも良いのでは?



Data source: 会社HP(http://nichiiko-ir.irbridge.com/ja/BusinessHighlights.html)、Teva HP(http://www.tevapharm.com/financial/webcast_2007.asp)、厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1015-1.html

【特集】不況下の増収増益企業:(2)オリエンタルランド(4661)

さて第2回は、皆さんもご存知、ディズニーリゾートで有名なオリエンタルランド(4661)。何でも先日家族連れで行った妹夫妻によると、昨年7月オープンの東京ディズニーランドホテルは、結構な値段なのに今でも週末は満室状態とか・・・。「夢と魔法の王国」は不景気知らず?!ちょうど先週木曜日に第3四半期の決算発表と、今期通期業績の上方修正の発表がありましたので、早速見てみました。

 


tag:

(2008年度は会社予想数字)

 

今年度は25周年ということで、金融危機も不況もものともせずに絶好調!9月、11月に続いて、今期3回目の上方修正となり、売上高101.5億円、営業利益で56.3億円、それぞれ上方修正されました。11月予想からの増額要因を見ると、売上高の80%、営業利益の85%(前年度実績)を占める主力の「テーマパーク事業」の増額修正が大きく、同事業で売上高102億円、営業利益48.3億円と、今回の全体の上方修正のほとんどを説明できそうです。入園者数が過去最高の2,710万人に達するほか、ゲスト1人当たりの売上高も上昇が予想されるということで、同事業の営業利益率は、11月予想時点の9.6%から、10.9%まで高まる見込みのようです。

 

さて、グラフを用いてもう少し詳細を見てみます。まず1枚目。5~6年前の11%台中盤から、一時は9%台前半まで落ち込んだ営業利益率も、近年足を引っ張ってきたリテイル事業の赤字幅縮小と、テーマパーク事業の利益率向上で、今期は9%台後半まで戻してきそうです。前述のテーマパーク事業の営業利益率予想である10.9%という数字は、達成されれば2003年3月期以来の水準であり、今後の会社全体の営業利益率の回復に向けて、ポジティブな要因になるでしょう。

 

次に2枚目(グラフ右下のボタンをクリック!)。営業利益率にも直結するゲスト1人当たり売上高を見ると、今期は商品販売収入と飲食販売収入が、きっちりと伸びてきています。パークの外では固~い財布の紐も、「夢と魔法の王国」の中ではついつい緩んでしまう(?!)のか、25周年商品の好調やチキンレッグ、ロングエクレアと言った「ワンハンドメニュー」の好調は会社の予想以上!のようです。

 

さて、25周年の今期がこんなに好調だと、その反動で来期の数字が気になるところ・・・。しかもこの不景気だと、ディズニーどころじゃなくなるんじゃないか、という不安もあるのは事実。

 

そこで、入園者数の推移と伸び率、さらに実質GDP成長率を比べてみたのが3枚目。これを見ると、マクロの経済環境と入園者数とは、それほど関連が強くないように見えます。それよりも、どのアトラクションが増えたとか(例:ディズニーシーのオープンは2001年9月)、どんなショーがやっているとか、の方が重要なのかな・・・そういう意味では、来年度はディズニーランド、ディズニーシー双方で新アトラクションがオープンの予定だとか。海外旅行は行かないで国内でー、という人もいるでしょうし、もしかしたら、例の定額給付金もディズニーリゾートにはポジティブ?!とか考えると、多少は25周年が終わる影響はあっても、来期もそんなには悪くはならないかもしれない・・・、と思うのは私だけでしょうか?

 

少なくとも自分にとっては、25周年でも26周年でも、あんまり関係ないしー。

 

やっぱり、覚めない「夢」もあるのかも知れない・・・、そんなディズニーの来期に注目です!

 

 

Data source:会社HP(http://www.olc.co.jp/ir/library.html

【特集】不況下の増収増益企業:(1)ユニ・チャーム ペットケア(2059)

世の中は不況の真っ只中、赤字だの、減収減益だの、下方修正だの、株式市場にとっても嬉しくないニュースが続いています。だけどそんな中でもきっちり増収増益の企業があるはず!ということで、まずは知る人ぞ知る、ユニ・チャーム ペットケア(2059)です。


tag:

(2008年度は会社予想数字)


この会社、ご存知ユニ・チャームの子会社、ペットフードとペットトイレタリーを日本のみで扱っていて、売上比率は6:4くらい。ここ数年もご覧の通りの増収増益が続いており、今期予想も売上高で9.0%増、営業利益で14.1%増とまさに絶好調!

しかもこの今期の予想、先週の第3四半期の発表後に上方修正されたのですが、相変わらずの保守的な予想です(ちなみに第1四半期でも、第2四半期でも、半期、通期の予想をそれぞれ上方修正していたのです)。。。例えば、営業利益の数字1つとっても、第3四半期までの累計が5,267百万円に対して、通期の予想が5,900百万円、つまり既に90%近くの達成率で、順調に行けば通期で予想を上回ってくるのもほぼ確実とも思えます。なお、昨年は通期実績に対する第3四半期までの達成率が75.6%、広告宣伝費の計上方法変更という特殊要因を除いても約80%でしたので、特に季節要因もないようです。

さて、この会社の強さを、グラフを見ながらもう少し分析してみます。まずは1枚目。ここ数年、毎年営業利益率が上昇しています。周りでは、原材料高だの、消費低迷で値下げだの言われている中での上昇ですから、この強さは光ります。

次に2枚目(グラフ右下のボタンをクリック!)。売上に対する販管費の比率が継続的に下がってきていることが分かります。実際の数字上は、2003年度の35.4%から、2007年度には32.6%まで減少しており、一方で粗利率が2003~2007年度の間44.2%~45.4%の間で推移していたことを考えると、この販管費率抑制が営業利益率上昇に繋がっていたことが伺えます。ちなみに今期第3四半期までの販管費率は29.1%ですから、この強さは本物!「ユニ・チャーム」ブランドの強さを活かしながら、実に効果的なブランド作りを重ねてきた証拠とも言えそうです。

さらに次のグラフを見てみると分かる通り、この会社、市場全体の拡大がない中でのこの実績ですから、本当に強い!

っていうか、そんなに美味しいのかな・・・、今度食べて・・・みないって!

では、おなかがすいたので、特集第1弾はこの辺でー。



Data source:会社HP(http://www.uc-petcare.co.jp/ir/library.html)/ペットフード工業会(http://www.jppfma.org/shiryo/shiryo-set.html

Copyright © 2010 Fillmore Advisory, Inc. All rights reserved.