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鳩山発言で環境関連銘柄の株価上昇!日本のリーダーシップ発揮なるか?!

先日の総選挙で圧勝し、政権交代の実現が秒読みに入る中、民主党の鳩山由紀夫代表はじめ首脳陣の発言が連日注目を集めています。総選挙時のマニフェスト(政権公約)にも明記されている内容が多いものの、その「やる気」や優先順位の見極めを、早い段階から行いたいとの思惑が大きいのでしょう。

そんな中、今週前半、鳩山代表が、新政権の掲げる温暖化対策として、「温暖化ガス排出量を2020年までに1990年比25%削減する」との発言が大いに注目を集めました。特に、これまでの「90年比8%削減」という麻生政権の掲げていた中期目標と比較して、かなり野心的な目標数値となることからも、海外からの歓迎の声が強かったようです。早速BBCで、国連気候変動枠組み条約のデブア事務局長の歓迎の発言を用いながら、好意的に報道されていたのを目にしました。

最も早く、そして大きく動いたのは、日本の個別銘柄の株価でした。発言後の8日(火)の株式市場では、相場全体が小幅上昇(日経平均で0.7%高)の中、電気自動車用の電池生産等のGSユアサが9.1%高、電池向け部品生産の戸田工業(グラフ参照)がストップ高の14.8%高、その他太陽電池関連でシャープ(2.6%高)、三洋電機(5.6%高)も上昇するなど、環境関連銘柄が大きく買われました。



一方、「野心的な目標」の達成には痛みも伴うことが予想され、特にコスト増に繋がる懸念も強い鉄鋼業界は、新日鉄、JFEホールディング等、総じて株価が下落する結果となりました。

さて、例え鳩山代表の発言が、優先順位も高い状態で実際に政策実行に移されたとしたら、本当に株価の反応通りの業績インパクトとなるのでしょうか?当然、元々8%と言っていた目標が25%となるだけでも、産業界全体の相当な努力が必要となることは想像に難くないのですが、一方で環境関連銘柄がどこもかしこも恩恵を受けるかと言えば、そうでもないのではないでしょうか?

「環境関連銘柄」と一口に言っても、分野・商品は様々、さらに個別企業ベースでの業績への寄与度もまちまちです。さらに、政策の後押しも期待できる将来明るい分野だけに、新たな参入企業や既存企業の事業拡大も相次ぎ競争は激化し、同時に政策の後押し必要な分野だけに、その政策のある無しと中身如何でどうなるか分からない不透明感も内在しているのです。



事実、グラフの通り、8日(火)に上昇した「環境関連銘柄」の中でも、GSユアサは営業利益率アップを伴う営業増益を続けている一方で、シャープは前期は全社で赤字、太陽電池部門でも営業赤字が続いている状況です。

今後、環境分野での、日本のリーダーシップ発揮は大いに期待しながらも、銘柄選択では、実際の政策の中身と各社の事業分野や強み、そして競争環境を十分考慮しなければと、思いを新たにしたニュースと株価の反応でした。

【このページのグラフへのリンク】

http://www.visualzoo.com/graph/20431
http://www.visualzoo.com/graph/20433

【関連グラフ】

・シャープとサンヨーの太陽電池の売上高

・シャープ 太陽電池の販売高

・サンヨーの電池 トヨタ車に採用

個人投資家に大人気!ETFは本当に指数と連動しているか確かめてみる。

昨年の株価の大暴落時に機関投資家・外国人投資家に変わる株式市場の支え手として個人投資家が注目されました。証券会社の口座解説数も急増するなど、はじめて株式デビューした投資初心者も多かったと思われます。

そんな個人投資家に向いているのが個別銘柄の日々の動向に一喜一憂することなく、日本株全体に広く薄く投資することができる投資信託やETFかと思います。しかし、いざETF(指数連動型投資信託)を買おうと思っても多すぎてどれを買ったらいいかわからない、なんてことになりがちです。なぜなら、毎日ニュースで流れる日経平均株価の連動型ですら5銘柄もあるのですから。

さて、個別のETF間に差はあるのか?ということで、日経平均株価連動型ETFと日経平均株価の年初来からの価格推移を比較してみました。あまりに長期にすると配当落ちの影響(ETFによって配当の実施有無や配当額に差がある)や、日次のずれが蓄積されていってしまう懸念があるためです。今回はETF元年である2001年から上場している「1320 ダイワ上場投信-日経225 (大証)」「1321 日経225連動型上場投資信託 (大証)」「1329 iシェアーズ日経225 (東証)」「1330 上場インデックスファンド225 (東証)」をグラフにしてみました。(黒が日経平均株価



http://www.visualzoo.com/graph/18917

上のようにグラフにしてみましたが、やはり連動型というだけあってほぼ同一の値動きをしていますね。しかし、個別の銘柄ごとに見てみると青色の「iシェアーズ」がやや乖離が大きい時期があるように見えます。そして緑色の「日興(上場インデックスファンド)」も日経平均より下振れしたり上振れしたりしている様子が見えます。日経平均が大きく動いたときを除けば「大和」や「野村」はほぼ同一の動きをしているようです。指数連動型ETFといっても日経225の構成比率どうりに銘柄を保有しているわけではないので多少のばらつきはあるのは当然ですが、指数との一致度という点で見ると大証勢(大和、野村)が東証勢(iシェアーズ、日興)よりもすぐれているといえそうです。

【関連グラフ】

【株価指数】日経平均株価(日経225)

トヨタ、国内好調と経費削減で通期予想を上方修正!完全復活への第一歩となるか?!

上場企業の第1四半期の決算発表が続いています。各社共に、世界的な景気低迷で引き続き厳しい事業環境が続いてはいるものの、底を打つ、もしくは打った兆しも少しずつ出始めてきていて、総じて「悪いとは分かっていたけれど、最悪シナリオにはならなさそう。。。」との一種の安堵感を感じられる内容となったところも少なくありません。そして、その「最悪シナリオ」で通期の予想を発表していた企業の中で、若干の上方修正の動きが見え始めているのもポジティブな話題の一つです。

昨日8月4日(火)に第1四半期決算と通期予想修正を発表したトヨタも、そんな企業の中の一つかと思います。

まず終わった第1四半期は、営業利益で1,949億円の赤字となりました。前年度第1四半期が4,125億円の黒字でしたので、単純な前年同期との比較では6,074億円の損益悪化となりますが、事前に3,000億円以上の営業赤字を予想していたアナリストも複数いたことを考えると、悪くない数字と言えるでしょう。決算資料から、6,074億円の損益悪化要因の主な内訳を見ると、「台数・構成等の影響」が6,500億円、「為替変動の影響」が1,400億円、それぞれ減益要因となったものの、「原価改善努力」と「固定費の削減」中心の緊急収益改善策により、2,300億円の増益要因を作り出した形になっています。この収益改善努力を続けながら、政府の支援策や消費の回復等による販売、生産の回復を待つ、というのが現状のシナリオなのでしょう。



同時に上半期と通期の業績予想修正も発表されています。結果、この通期の連結営業利益予想は、8,500億円の赤字から7,500億円の赤字へと、1,000億円の上方修正です。従来予想との比較では、日本での連結販売予想が10万台引き上げられて202万台となり、その効果を主として「台数・構成等の影響」で+500億円、「原価改善の努力」で+200億円、「固定費の削減」で+300億円、それぞれ上方修正の要因となりました。国内でのプリウス等の好調や、今回販売予想引き上げがなかった米国市場も、政府のエコカー支援等で少しずつ改善して来ていることを考えると、さらに通期の営業赤字を改善していく余地も大いにあるのだと思います。

トヨタの復活は、日本企業全体の復活をも想起させる大きな意味を持つだけに、引き続き期待感を持って見て行きたいと思います。

【このグラフへのリンク】
http://www.visualzoo.com/graph/18289 

【関連グラフ】
それでも世界販売1位のトヨタ
トヨタがマツダとハイブリッド分野で提携
業界色々・自己資本比率
自動車産業の粗利率と売上

iPhone人気の理由はアプリにあり

日本では伸び悩んでいるiPhoneだが、アメリカでの人気は留まるところを知らない。シリコンバレーという土地柄もあるんだろうけど、わたしの同僚の間でのiPhone所持率は50%を超えている。またこれも土地柄なのかもしれないが、ユーザーとして所持するだけではなく、ディベロッパーとしてiPhone用のアプリケーションを開発するという点でも盛り上がりを見せている。多くの企業やサービスがPCウェブ用の既存アプリケーションをiPhone用に書き替えるというケースはもちろんのこと、iPhone向けとして新たに開発されるアプリの数も急増。本業や学業の傍ら気軽に作ったアプリケーションが大当たりして立派な収入源になるという夢のある成功例が増えているため、ある種トレンドのようにすらなっているのだ。右のグラフに見られるように、iPhoneアプリ数は順調に増加中。今年5月中旬時点で46,000以上が公開されていて、この豊富さがiPhone人気の大きな理由とも言われる。とあっては、競合が目をつけないわけはない。


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Blackberryを手がける RIM(Research in motion)は、今期からディベロッパーが開発したアプリケーションを集めたAppWorld Websiteをリリース。このオンラインストアを設けることによって、アプリケーションの「ワンストップショッピング」化を実現させようとしている。ではアップルとの違いは何なのか?

まずはディベロッパーにとっての違いから。ブラックベリーの場合、ディベロッパーは自分のアプリケーションをオンラインストアに登録するのに、「登録料」という名目で200ドルを払わないといけない。その上、RIM の審査を通らないとオンラインストアに参加することができない。RIMはこのプロセスを通すことで、掲載アプリの質を保とうとしている。一方iPhoneの登録料は99ドルから299ドルと異なるが、これは主に個人ディベロッパーか企業ディベロッパーかの違いによるものだ。個人であれば、99ドルが主流と仮定できるが、これは年間料なので毎年更新するたびに払わないといけない。では、ディベロッパーの大きなインセンティブとなるレベニューシェアの割合はどのように違うのか。アップルは全収益の70%をディベロッパーに支払うのに対してRIMは80%。審査が厳しい分、分配率も高いと言ったところだろうか。

では我々ユーザにとってのメリット、デメリットは?ブラックベリーについてまずあげられるのが、各アプリケーションの単価が高いこと。iPhoneのアプリケーションは無料や99セントのものが多く、平均価格も2.5ドルに留まる。対してブラックベリーのアプリケーションは最低で2.99ドル、平均するとほぼ3-4ドルにまでなる。ただ一方で、iPhoneよりも複雑なものが多い。つまり複雑なだから単価も高い、とも言える。ちなみにこの値段、初期ダウンロード時にかかるだけで、一度インストールしてしまえばその後は無料だ。ブラックベリーのもう一つの欠点は、決済がPaypalを通してのみ行われること。Paypalという外部システムに頼っていること(しかもPaypalの安定性はいまいち?)、また利用者がPaypalのアカウントを持っていることが条件になるという点は、大きなマイナス点だと言える。

ここでもう少しアプリケーションの質と単価について考えてみたい。先に触れたように、iPhoneは無料もしくはせいぜい99セントのものが多い。 ただ質はと言えば、あきれるというか、笑うしかないというか、本当にくだらないものも多い。実際「ゲーム」と呼ばれるものは5分の1にも満たず、「エンターテインメント」に分類されるものがゲームに並ぶくらい多いのだ。


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「エンターテインメント」カテゴリーに分類されるアプリとは、例えばiPhoneを銃のように見立てて遊ぶもの。アプリケーションを立ち上げると銃の絵が画面に現れて、発射ボタンを押すと銃のような音をたてる。ただそれだけ。それによって得点が稼げるわけでも敵を倒すわけでもないので、ゲームと呼ぶにはほど遠い。また日本人にもウケそうなのが、暇つぶしのプチプチ。画面を緩衝材として使われるシート状のプチプチ(ポリエチレン製の無数の気泡のシート)に見立てて、単に気泡をつぶしていく。ゲームとして早さを競うわけでもなく、ただ単にプチプチをつぶすというだけ。他にはライターのように着火できる(もちろん画面上でだけ)というアプリケーションもある。強く振ったり吹いたりすると火が揺れたりする。

さらに一歩進化した「ゲーム」と呼ばれるカテゴリーを見てみても、一番人気はFlight Controlという超単純な飛行機操縦ゲーム。ランダムに画面上に現れる飛行機やヘリコプター同士が衝突しないように、着陸路に誘導する。だんだん飛行機の数が増えてくるので着陸路は忙しくなり、その分手早く誘導しないといけないのだが、それでも着陸路数が急激に変わったり構造が複雑になるわけではない。そんな至って単純なこのゲームは99セントで売られていて、今年の3月以降で70万ダウンロードを、ピーク時には一日2万ダウンロードを記録したという。

これほど単純なゲーム(ゲームとも呼べないようなものも含めて)がiPhoneユーザーにウケている、という一見不思議に見えるこの傾向。実はこのような単純アプリケーションが、iPhoneの勢いを支えていると言っても過言ではないのだ。ある見解によると、こういうものがはやるのにはいくつかの理由があるという。まずは空き時間が数分あれば手軽にできること。頭を使って考える必要がなく、しかも複雑なゲームではないので完結しなくてもいい。いつでも始められていつでも辞められるので、たった5分の待ち時間にでも気軽に遊べてしまう。そしてその気軽さがゆえに、罪悪感を感じることなく遊べる。つまりたった5分だったら時間を無駄にしている罪悪感もないし、逆に有効に利用しているような錯覚にすら陥る。1時間続けて集中しないと満足感が得られない複雑なロールプレーゲームとは違う。また罪悪感と言えば、金銭的な負担が少ないのも大きなポイントだろう。無料かせいぜい99セントであれば、10回で飽きたとしても、まいっかと思えてしまう。

iPhoneユーザ一人あたりの平均アプリケーション数は20で、どの競合と比較しても飛び抜けて高いというデータが出ている。 また、i-phoneユーザのアプリケーションあたりの平均利用回数は10回程度というデータも出ている。これは無料や99セントという格安な値段のものが多いという結果だろう。

このようなデータからもわかるように、iPhoneは電話を超えて多様プラットフォームと化している。裏を返せば、それが日本ではいまいちウケていない要因とも言えるだろう。では、実際にユーザがiPhoneを電話として使っている時間と、音声以外のアプリケーションを利用している時間に特徴は見られるのか。

1年前のデータなので最新とは言えないが、International Business Timesによると、iPhoneユーザが電話として利用する時間はたった46.5%だということが判明 。一方でブラックベリーの利用者は71.7% が電話として利用していた。また、同レポートによると、利用時間のうちiPhoneからのインターネットへのアクセス時間は12%以上。他の携帯電話からのネットへのアクセス時間は2.4%であることと比較すると、異様に高い数値だと言える。
また平均iPhoneユーザは全利用時間の11.9% 、音楽を聞いている。他の携帯電話ユーザでは、この数値も 2.5% にとどまる。これらのデータに証明されるように、iPhoneは単なる電話としてではなく、エンターテイメントのプラットフォームとして、携帯電話以上の機能とイメージを確立したと言える

この影響は携帯電話、スマートフォン業者だけには留まらない。例えば任天堂が今年の4月に発売して順調な伸びを見せているDSi、その好調な要因のひとつはアップルを真似たオンラインのアプリケーションストアだと言われている。ディベロッパーの開発したゲームが数ドルで売られていて、ユーザはiPhoneのように即座にオンラインストアからアプリをダウンロードして遊ぶことができる。このように、伝統的な携帯電話業者ではないゲーム会社が競合としてあがってくること自体、アップルがいかに携帯市場外に影響力を広げ、ある意味新たな市場を開拓したかということが裏付けられる。

とはいえども、当面の脅威は伝統的「同業者」のスマートフォン、ブラックベリーGoogleのアンドロイド、また新機種の発売を発表したPalm。例えばブラックベリーの場合、ビジネス用途が主流というブランドイメージの転換、オンラインストアの活性化(ユーザがいないところにはディベロッパーは集まらないし、逆もしかり、というネットワーク効果をどう作り出せるか)、そしてアップルのようにユーザを常に飽きさせないスピード感をいかに備えるか、などさまざまな挑戦が待ち受けている。スマートフォン競争は一層熾烈になると予想されるが、消費者にとってオプションが増えるのは大歓迎だ。

その他のシリコンバレー関連トピックスもこちらのブログに載せています:
http://japaneseinsiliconvalley.blogspot.com/

GM、トヨタとの合弁解消を発表。新生トヨタ経営陣の取るべき道とは?

経営再建中の米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は、現地時間29日、カリフォルニア州フリーモントのトヨタ自動車との合弁事業を打ち切ると発表しました。

この合弁事業は、New United Motor Manufacruting, Inc. (NUMMI)。1984年12月から生産を始めた、トヨタの北米事業の中で最も歴史のある事業のうちの一つです。2008年12月末時点で従業員数4,519人、トヨタ車両生産実績が27.1万台で、アメリカでのトヨタ車両生産実績全体の24%を占めていました。昨年来の世界景気悪化で特に影響の大きかった北米での出来事なだけに、トヨタにとっては頭の痛いニュースとなったのは間違いないでしょう。


グラフを見ると、トヨタにとっての最近の北米事業の厳しさが、一目瞭然です。連結の販売台数は、四半期ベースで2000年代の最低水準まで落ち込み、海外他地域と比べてもその販売台数の下落は顕著です(グラフ1)。さらに、所在地別の実績を見てみると、2007年度まで日本に次いで大きな営業利益を稼ぎ出していた北米が、2008年度は最低のレベルにまで落ち込み(グラフ2)、2008年第2四半期以来続く営業赤字の解消が急務となっているのが見て取れます(グラフ3)。このように、ただでさえ販売不振で、北米での生産能力が大幅な過剰となっている中、GM抜きで単独で工場を続ける負担はあまりに重いのが現実です。

豊田章男新社長率いる新生トヨタ経営陣。ほんの1週間前に正式発足して早々、難しい決断を迫られることになります。GMが引き上げる50%出資分を買い取って生産を続けるのか、他の提携先を探すのか、それとも撤退か。。。GMによる生産停止が8月末に迫る中、トヨタに残された時間はそう多くはなさそうです。

【このグラフへのリンク】
GM、トヨタとの合弁解消を発表。新生トヨタ経営陣の取るべき道とは?

【関連グラフ】
トヨタのクルマ、海外生産ランキング
トヨタ、地域別売上高推移
エコカー補助金制度は何のための施策?
中国、新車販売台数増加

エルピーダへの公的支援が正式決定。長期低迷からの復活なるか?!

本日6月30日(火)の10:30、経産省は、エルピーダに対して、公的資金を活用した資本増強支援の適用を発表しました。今国会で成立した改正産業再生法で新設した出資支援措置の認定第1号となります。

具体的な支援パッケージとしては、日本政策投資銀行(政投銀)が、財政資金で将来の出資損失の80%を補てんしてもらえる契約付きで、300億円を8月に出資。さらに政投銀が出資に併せ100億円を融資するほか、三菱東京UFJ銀行など4行が中心になって1000億円を協調融資。加えてエルピーダは、台湾当局主導で2009年度に設立される台湾メーカーの統合会社からも200億円の出資を受ける予定で、これも合わせると、官民で総額1,600億円の資金支援となります。

今回エルピーダは、「国内唯一のDRAMメーカー」として、その経営悪化が市民生活、産業活動に重大な影響を及ぼすことを理由として支援が決定したようですが、今後は業績回復と言う重要な責務を負うことになります。会社は、今回の総額1,600億円の支援で、研究開発と設備投資を行い、財務や生産効率改善によって国際競争力の強化を狙っていますが、これまでの実績からもその結果が収益に結びつくかどうかは価格動向次第。そして、株価の回復、すなわち今回の政府支援の成功も、その業績回復にかかっています


グラフの通り、エルピーダの業績はこの6四半期連続で営業赤字が続いており、株価もそれに見事に連動する形で下落を続けました。このグラフだけを参考にすれば、営業損益トントンでも、株価は現状の4倍。米国で自動車業界に注がれたような社会批判を受けないためにも、今後はしっかりと実績を見せることが求められます

【このグラフへのリンク】
エルピーダへの公的支援が正式決定。長期低迷からの復活なるか?!

【関連グラフ】
半導体2社:営業CFと投資CFの推移
【会社概要】エルピーダメモリ(6665)
【株価】エルピーダメモリ(6665)

アルバック株が年初来高値更新、世界最高性能の太陽電池装置開発報道で

半導体製造装置、太陽電池製造装置等の開発、生産を手掛けるアルバック(6728)の株価が、本日買い気配から始まり、年初来高値を更新しているようです。今朝一部メディアで報じられた、世界最高性能の薄膜太陽電池を量産できるシステムを開発、とのニュースが材料となり、将来の業績清を期待した買いが入っている模様。確かに、何でも2010年6月期に受注1,000億円を目指すとのことですので、直近期の売上高が連結全体で2,400億円強の同社にとってのインパクトは、実現すれば相当なものと考えられます(今回のニュースに関して、会社側は同日朝の時点で「当社として公表したものではございません」とのコメント)。


太陽電池の大規模な普及には、変換効率の上昇が一つの鍵とされています。変換効率とは、太陽電池に注がれた光エネルギーのうち、何%を電気エネルギーに変換できるかを表した数字で、これまでは一般的に「結晶型」の方が「薄膜型」よりも優れるとされてきました。一方で、「結晶型」は原料コストが高いこともあり、近年は「薄膜型」が少しずつシェアを伸ばしてきた経緯があります(→詳細は、2009年3月27日vizlog記事「【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(4)めざせソーラーにっぽん!~太陽光発電の将来性と、それを取り巻く日本企業に注目する~」を参照)。

事実、太陽光発電協会のデータを見ると、2008年度の日本における太陽電池出荷量の伸び(前年同期比)は、単結晶、多結晶の「結晶型」が、それぞれ+17%、+22%なのに比べて、「薄膜型」は+40%と、前年度に引き続き一番高い伸びとなっています。

今後より一層の「薄膜型」普及へのポイントは、この変換効率を高めることができるかと、製造コストを下げるための大量生産技術が出来るかにあると言われてきただけに、今回の報道が本当であれば、同社だけでなく、日本の太陽電池業界全体にとって大きな話となります。今後の会社の正式発表に注目して行きたいと思います。

【このグラフへのリンク】
アルバック(6728):2009年年初来の株価推移

【関連グラフ】
太陽電池、国内よりも海外へ
シャープ(6753):上場来初の営業赤字転落と今後②
太陽電池の販売高と部門別営業利益
【事業別売上高】京セラ(6971)

食品大手各社、今期営業増益に!

前期の決算発表が大詰めを迎えています。2007年度までは好調を維持してきた日本の上場企業各社も、前期2008年度は大きく下振れし、今期の会社予想でも厳しい見通しが相次いでいます。そんな中、食品大手は20社中、実に15社が営業増益予想とされるなど、業界として注目を集めています。まずは、その中の数社の前期までの業績推移を可視化してみます。

東洋水産

 

「マルちゃん」ブランドで有名な同社、前期まで2期連続して増収増益ですが、今期も約2%ずつの増収増益予想で、達成されれば過去最高益となります。折からの不況で外食回避→自宅での料理のトレンドが続いており、生めん等で強い同社にとっては追い風となっているようです。

味の素

 

海外基盤も強い同社は、その海外で円高の影響を受ける等、前期は減収減益となりました。ただ、今期は約3%の増益予想とされるなど、着実な回復が想定されています(味の素の海外事業に関しては、vizooグラフ「味の素と醤油はどっちがグローバルか?」を参照)。

以上、大手各社で今期の増益が予想される中、今後の株価の推移を占ってみます。まずはここ1年の株価の実績から。

 

ここ1年間の株価推移を日経225ETFと比較すると、各社総じて市場平均をアウトパフォームしてきたことが分かります。上記の通りの堅調な業績予想の会社も多く、昨年来地道に続けてきた値上げの努力が功を奏し、折からの原料安や、不景気に伴う外食減→家庭料理への回帰も、各社にとっては追い風となったようです。

一方、懸念材料も多いのが現状で、それは原材料費や為替の動きから、値上げの浸透など様々ですが、中でも、顧客層のさらなる低価格志向化が最も大きなリスクと考えられます。顧客の中で、ブランド品より、より安いプライベートブランド(PB)の人気が高まる中、小売大手各社は、これを武器に食品大手各社に値下げを迫っており、このせめぎ合いがどう決着するのかが、今期の食品大手を見る上でのカギとなるのでしょう。

皆さんは、PBとブランド品、どちらを選びますか?その答えを考えることが、今期の食品大手の今後を占う、大きなヒントになるかも知れません。

このブログに埋め込まれているグラフは、グラフ共有サイトvizoo上で閲覧可能です!
http://www.visualzoo.com/graph/8563
http://www.visualzoo.com/graph/8535
http://www.visualzoo.com/graph/13207
東洋水産、味の素以外の業績推移もご覧頂けます→http://www.visualzoo.com/

Follow the Money. 今のところは世界中のお金が米国国債に流れている?

米国財務省が今週、2008年12月末のTreasury International Capital (TIC)データを公表した。Treasury International Capital dataは、国際資本の米国債に対するお金の流れが分かるデータ、といったところのようだ。

前回、「日本の株式市場の需要と供給 Follow the Monday….?」を掲載したが、今度はこんなデータが米国財務省のサイトに掲載されていることが分かったので、チャートにしてみた。 それにしても、「へー、こんなデータが無料でネットで検索するだけで簡単に手に入るんだー」とあらためて感心しましたね。とはいっても、そういうデータを探して追って、そしてそれがどういう意味なのか分析する時間って皆さんないですよね。これからも「へー、データ」を探し求めにがんばります


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レポートによると、”Domestic Securities Purchased, net”が海外からの米国国債売買差し引き額。2008年10月、11月にかなり売られてます。内訳は、”Private, net” 政府機関以外の外国投資家、”Official, net”は海外政府機関。最悪だった11月については、売買差し引き額で、外国人投資家にUS$22.9billions, 海外政府機関にUS$37.1billionsも売られてた。(1ドル90円換算で、US$1 billionは900億円)

“Foreign Securities Purchased, net”はアメリカ在住の人による、海外の国債売買の差し引き額。これには、アメリカの金融機関が海外の国債を外国人に売った場合も含まれるようだ。ややこしくなるので、この変で説明はやめておくが、つまり、プラスならアメリカにお金が流れてきて、マイナスの場合はお金が国外に出てしまった、と思っていればよいようだ。10月、11月いずれも、US$35, 36 billionsほどお金が入っているのが救いだ。外国からの米国国債に流れるお金(”Domestic Securities Purchased, net”)と、外国国債の取引でアメリカに流れるお金(”Foreign Securities Purchased, net”)を合わせた額が、”Net Foreign Acquisition of Long-Term Securities。

去年の10月、11月には、かなり売られてしまった米国国債だが、米国財務省に今週発表された12月のデータによると、回復!外国人投資家にガツンとUS$25.2billionもの額が売買差し引き額で買われている。海外の国債の売買でアメリカに流れてきた額をあわせると、プラスのUS$34.8 billions11月のマイナスUS$37.6 billionsから大きく飛躍。どうして12月に国際資本が米国国債に流れたかについては、政府のレポートには書かれていなかった。オバマ政権の景気回復に対する政策、金利や債権の市場、海外の市場、などなど色々な要素が影響しているのだろう。。。

チャートで使われているデータ期間、つまり過去12ヶ月の間、アメリカでは色々なことがあった。株式市場は下がる一方。ローンが払えなくなりマイホームを手放す人が後を絶たない。米国大手投資銀行や保険会社の”まさかあそこが”の経営危機。小売業も倒産が絶たない。さらにはアメリカの誇り自動車産業の行く末もさだかでない状態。失業率は上がる一方。企業のレイオフの発表は後を絶たない。

。。。とはいえ、米国長期国債には世界のお金が流れているようだ。なんだかんだ言って、それでも米国国債は安全な投資先、ということなのだろう。ちなみに、外国人(アメリカから見た)の米国国債の最大保持者は、予測がつくだろうが中国。第2位が日本。

The key to investing is not to loose“,  「投資で成功する秘訣は損を出さないこと」とどこかで読んだが、まさにこのことですね。

Follow the Money!!



Data source:  U.S. Department of Treasury (http://www.treas.gov/press/reports.html)

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