Category: グラフで見るニュースとトレンド

携帯電話契約純増数ソフトバンク堂々の3ヶ月連続首位!

7月7日、社団法人 電気通信事業者協会(TCA)は6月末の携帯電話及びPHSの契約数を発表しました。同発表によれば、6月末の携帯電話契約数は1億1371万6400件で前月比0.5%の増加となった。キャリア別にみてみると、NTTドコモが16万4600件純増で累計契約数5651万4500件、ソフトバンクが22万9500件純増の累計2257万3200件、KDDIは6万1300件純増の累計3209万1400件となりました。

純増数の推移を見てみると、ソフトバンクが三カ月連続純増数をキープしています。
毎年3月に純増数が急増しピークを迎え、4月・5月は落ち着くのですが今年は違いました!

(ソフトバンクの3月時点の急激な減少は2G回線の停波を行ったため)

ソフトバンクやNTTドコモのスマートフォンがこの時期に契約数を押し上げました。中でもNTTドコモのXperiaは思った以上に好評だったそうです。
iPhoneは言わずもがな人気が高く、続くiPadと同様予約待ち状態が続いています。

こうしたスマートフォンがクリティカルマスを超え、世の中に深く浸透してくれば、私たちの生活スタイルも変化してくるのでしょう。

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(9)上場来初の営業赤字に陥ったシャープ。。。これからの道のりを占う

成長分野であるはずの太陽電池部門で正念場を迎えているシャープ。前期に上場来初の赤字となった同社の業績回復に向けて、太陽電池部門外の注目点を、会社資料からグラフ化して考えてみたいと思います。

まずは業績推移をグラフ1でおさらいします。
ご覧の通り、2007年度までは、きれいな右肩上がりの売上高成長と、常に5~6%程度の安定した営業利益率を保ちながら、増収増益を記録して来ていました。それが前期、会社はこのままの伸びを期待しながら投資等を行ってきた中で、売上高が3年前の水準に落ち込み、コストを回収しきれずに営業赤字に転落しています。2009年度は、売上高はほぼ横ばいになるものの、コストカットを中心に営業黒字を達成する予想になっていますが・・・・・、この達成可能性には疑問が残るところです。 


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 ここでグラフ2、3(グラフ右下の「2」、「3」をクリック!)を見ながら、同社の事業構造の変化を確認してみます。2002年度実績と、今年度予想の部門別売上高を見比べると、大きなくくりでエレクトロニクス機器と電子部品等の構成比は7:3程度でほぼ変わらないものの、液晶TVを主力とするAV・通信機器部門への依存度が約10%程度上昇していることと、太陽電池部門が新たに一部門として売上高に貢献し始めていることが分かります。ここからも、液晶と太陽電池の重要性は明らかなのです。

さて、この中でも太陽電池については、こちらのvizlogをご参照いただくとして、液晶TVについてもう少し見てみます。ここからは下のグラフにご注目ください。


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グラフ4(右下のボタンでは「1」)で営業利益率に着目すると、AV・通信機器部門のパフォーマンスが、全社に大きなインパクトを与えていることが一目瞭然です。また、それを主力の液晶TV販売の期初予想と期末実績データと比べてみると、会社の想定通りに行かなくなった2007年度の時点で、既に前期のような不振に至る前兆が表れているようにも見えます。それまで4年間、継続して3.2~3.3%となっていた営業利益率が、2007年度に2.4%まで下落していたのです。小さい数字にも、大きなトレンド変化のサインが現れている、そんな一例になるのだと思います。

その液晶TVですが、今期は5月15 日から導入される「エコポイント」で国内の液晶TV販売が2ケタの伸びになると想定される(同社役員)など、若干強気とも取れる材料を考慮しても、減収と営業赤字予想。ここ数年の予想数字達成の厳しさも考慮すると、こちらもハードルは高そうです。

最後に、少し目を転じて、プラス面を考えてみたいと思います。グラフ5、6(右下のボタンでは「2」、「3」)をご覧ください。
海外売上高が国内売上高を若干上回るシャープですが、世界不況下でも経済成長を続ける中国の売上ウェイトが比較的高く、欧米市場が不振の中では、これが多少の業績下支えにはなりそうです(グラフ5)。
また、不況の影響もあり、これまで上昇一辺倒だった設備投資額も、前期から液晶主導で減少に転じ、結果として減価償却費の右肩上がりのトレンドも、前期を持ってピークアウトしています(グラフ6)。

ただ、これらプラス材料も、主力部門の回復なしには十分に活かされず、例えば主力部門での想定以上の政策的後押し等がない限りは、同社の不振脱出はなかなか難しいのが現状でしょう。さらに抜本的な改革が待たれます。

→関連vizlog:競争激化の太陽電池市場-日本メーカーに勝ち目はあるか?!

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)



Data source: 会社HP (http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/old.html

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(8)鍵は海外と”Leading Innovation”!?グラフで見る東芝の現状と将来の鍵

3月末決算企業の前期の決算発表がまもなく本格化するのに合わせ、この1週間は各企業の業績予想の修正が相次いでいます。予想された通りの厳しい決算となった会社が多く、上方修正に比べ、下方修正、しかも赤字転落や赤字幅の拡大を発表する企業が多く見受けられます。今回はその中で、決算の話に加え、増資や業界再編の話題でも騒がれている、東芝を見てみたいと思います。

~厳しい決算とその影響~

4月17日、東芝は前期の通期予想の修正を発表しました。赤字幅が1月発表時より若干縮小したものの、営業損益は2,500億円の赤字、純損益は 3,500億円の赤字と、やはり厳しい決算となったようです。この前期の数字を含めた、東芝の連結業績推移について、まずはグラフ1をご覧ください。 2001年度の赤字から回復して以降は、ここ数年比較的安定した業績を上げていましたが、前期2008年度は一気に悪化しています。収益環境が短期間で激変した様子を、見て取ることが出来ます。

次にグラフ2(グラフ右下の「2」をクリック)で、セグメント毎の営業利益率の推移を確認してみます。原子力事業や医療用システム等の社会インフラ事業のみが底堅く利益を稼ぎ出している他は、PC等のデジタルプロダクト事業、半導体、液晶等の電子デバイス事業、家電中心の家庭電器事業共に、営業赤字に転落しています。電子デバイス事業、特に半導体事業の落ち込みはひどく、これまで社内で最高レベルを誇っていた営業利益率が、一気に最低になっています。世界規模の需要の減退と、大きな価格下落の影響を、直に受けた結果だと言えるでしょう。 


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グラフ1~3:会社発表資料より 2008年度は会社予想


この半導体事業、前期は厳しかった一方で、 これまでは稼ぎ頭であった事業ですから、「ダメならいらない」とはならないでしょうし、むしろ市場が好転した際に、再度稼ぎ頭になってもらうための施策を今のうちに打っておくことが重要なのでしょう。様々な再編に関する憶測を呼んでいるのは周知の通りですが、事業の立て直しに向けてどのような決断を下すのか、注目したいと思います。同時に、ルネサス・テクノロジーとNECエレクトロニクスの統合が報道されるなど、業界内の他社の動向にも注目です。他社の統合・再編は、設備投資や研究開発の面で規模の利益を他社が得る一方で、両社の統合後の生産キャパシティの調整などで市場の需給環境が好転する、業界全体のメリットは東芝も受けられることになるからです。

一方、業績悪化でバランスシートが随分痛み、それが東芝の取れる選択肢の制約要因ともなっています。グラフ3(グラフ右下の「3」をクリック)でご覧いただける通り、ここ数年の大型買収や大規模な設備投資に、今回の業績悪化も重なり、自己資本比率は前期10%を下回るレベルまでの下落を記録したようです。S&Pが格下げ報告でクレジット・ウォッチを始めるなど市場も注目しており、3,000億円とも5,000億円とも言われる増資が噂されるのはこのためです。今はいち早くこれを実行し、次なる成長への基盤を固めることが必要に思えます。 

~今後の東芝復活の鍵は?~

今後の東芝復活の鍵、それは海外と”Leading Innovation”にあると見ています。


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グラフ4~6:会社発表資料より 2008年度は会社予想、2009年度は会社計画


まずは上記グラフ4(右下のグラフページは「1」)をご覧ください。東芝の海外売上高は、特に2003年度以降大きくその比率を上昇させてきており、2007年度にはついに日本の売上を上回るレベルに達しました。さらにグラフ5(グラフ右下の「2」をクリック!)を見ると、特にここ2~3年の東芝の売上成長が、海外売上高の成長により達成された様子が一目瞭然です。

同社は、この海外売上高の比率をさらに上昇させ、2010年度には60%まで到達させる計画で、昨年5月の経営方針説明会でも、具体策として、 2010年度に対2007年度比16,000人の海外人員増員、2008~2010年度累計で2,000人超の国内人員のグローバル人財育成が掲げられています。この不況で目標数字自体は変わるかも知れませんが、海外強化の方向性は引き続き変わらぬ戦略となるでしょう。

最後に、やはり将来の持続的成長のために欠かせないのがInnovation。同社のブランド・タグラインにもなっている”Leading Innovation”達成のためにも、引き続き研究開発を重ねて行くことが必要です(下記関連vizlogにも注目)。グラフ6(グラフ右下の「3」をクリック)をご覧の通り、今回の業績悪化の影響で研究開発費の減額が計画されており、前期売上予想をベースに考えると、売上比で4.8%と、ここ10年強で最低のレベルになります。そのようなタイミングだからこそ一層、選択と集中によって将来の成長に繋がる研究に結び付けられるかどうか、それがここから 10年の同社の運命を決めると言っても過言ではないと思います。次世代半導体、太陽電池、燃料電池等々様々な分野が考え得る中で、どれが次代の東芝の成長を支える商品になってくるのか、ここ1~2年がまさに勝負の時期となるでしょう。

*関連vizlog:民生エレクトロニクス 研究開発費と設備投資費から明かされる、事業戦略の2極化。

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)



Data source: 会社HP(http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/library/pr/pr2008.htm

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(7)金融市場安定の兆しが見えた?!ゴールドマン・サックスの決算を可視化する

サブプライム危機と金融市場の混乱、さらにその後の実体経済の悪化と、大変厳しい事業環境が続き世界の金融機関が苦しむ中、そのサブプライム危機の震源地アメリカでは、投資銀行最大手のゴールドマン・サックス・グループ(以下ゴールドマン)が、好調な決算を発表しました。ちょうど同じく今週、日本の大手銀行の下方修正の発表や赤字決算観測が相次いだのとは実に対象的ではありますが、この好調な決算は世界的な金融危機からの脱却を示す先行指標となるのでしょうか?今回は、今週米国時間13日(月)に発表された、ゴールドマンの第1四半期決算について、その内容をグラフ化しながら見ていきたいと思います。

まずはじめに、グラフ1で、全体感を見てみたいと思います。ご覧の通り、前年度第4四半期に1999年の上場以来初めて四半期ベースの赤字に転落したものの、この第1四半期は見事に回復を印象付ける四半期となりました。一株当たり利益が3.39ドルと、前年同期の3.23ドル、市場予想の1.6ドル前後を上回ったようです(ただし、会社は今期より会計年度末を11月から12月に変更しており、2008年12月単月では7.8億ドルの赤字)。

次に、同じくグラフ1で、四半期毎の部門業績推移を見てみたいと思います。下記部門毎の概要も参考に、グラフにご注目ください(以下部門は、下記の①~③で表現させて頂きます)。

①”Investment Banking”:投資銀行部門。M&Aの仲介や株式、債券の引き受け業務等での収益になります。
②”Trading and Principal Investments”: トレーディング、及びプリンシパル(自己資金)投資の部門で、株式、債券、為替、商品のトレーディング損益のほか、企業投資や不動産関連等の投資損益もここに含まれます。
③”Asset Management and Securities Services”:資産運用、並びに証券サービス部門で、資産運用ビジネスによる管理その他の手数料収入や、ヘッジファンド向けサービス(プライム・ブローカレッジ)の収入等がここに含まれます


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この第1四半期の特徴を考えると、①は4四半期連続での減少になったものの、②の大きな改善と、③の安定的な増加によって、市場予想を上回る収益を上げた、ということになるのだと思います。以下、右下の数字をクリックして頂きながら、グラフ2、3、4で、各部門に関して、詳細を見てみたいと思います。


まずは①Investment Bankingです。グラフ2より明らかな通り、M&A案件の減少等の影響で財務アドバイス収入(”Financial Advisory”)は引き続きの減少になっているものの、債券引受手数料(”Debt Underwriting”)が増加に転じ、全体の下落ペースを若干緩和させています。一方、株式引受手数料(”Equity Underwriting”)は大幅に減少しており、株式市場の冷え込みと企業の株式による資金調達意欲の減退を示すと共に、この改善が部門収益の向上に不可欠なことが見て取れます。ここ最近、株式市場自体は以前に比べて落ち着きを取り戻して来ており、今後株式市場を通した資金需要の盛り上がりに期待したいところです。

次にグラフ3で、②Trading and Principal Investmentsについて見てみます。不動産関連の損失、及び企業関連の損失でプリンシパル投資(”Principal Investments”)は引き続き赤字が続いているものの、債券・為替・商品のトレーディング収入(”FICC” =Fixed Income, Currency, and Commodities)が大幅に伸びて、これが部門全体、ひいては会社全体の好業績を支えています

最後に、③Asset Management and Securities Servicesについて考える重要なポイントとして、運用資産総額をグラフ4で確認してください。総額自体は一時に比べて(例えば2007年度末に比べて)減少しているものの、その多くの要因が株式市場の混乱に起因していたこと、さらにその資金流出は既に落ち着きはじめていること、が見て取れます。特に、前述のように、株式市場の環境も底打ちしてきた現状を考えると、この部門は今後比較的安定的に収入を確保して行く事が出来そうです。

このように、まだトレーディング頼みで本格的な回復には遠いまでも、確実に数字を上げつつ、業界内の地位を確固たるものにしているゴールドマン。13日の第1四半期の決算発表の翌日には、50億ドルの増資も正式発表し、公的資金の返済を宣言するなど、本格回復に向けて着々と準備を進めているように見えます。米国では、このゴールドマンに続き、ワコビアも好調な決算を示唆するなど、世界の金融市場安定に向けて、しばらくは良いニュースも続きそうです。日本市場、そして日本の金融機関がこの波に乗り遅れないよう、引き続き注目したいと思います。

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)



Data source: 会社HP(http://www2.goldmansachs.com/our-firm/investors/financials/index.html

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(6)2008年度の携帯契約純増数は過去最低の476万件、今後の携帯各社の注目点を探る

4月7日(火)に電気通信事業者協会より発表された数字によると、2008年度の携帯電話の契約純増数は476.2万件と、調査開始の1996年度以降で過去最低を記録したそうです。大まかな内訳を見ると、ソフトバンクが約200万件、NTTドコモが約120万件、E-Mobileが約100万件、 KDDIが約50万件。E-Mobileが、電話というよりはデータ通信が中心となっていることを考えると、それを除いた大手3社では既に400万件を切っていることになります。市場全体の成長が限られる中で、シェア争いや、スマートフォン等数少ない成長分野を巡る争いが、今まで以上に激しくなりそうです

まずはグラフ1で、2001年度以降の契約純増数の推移を月次で確認してみます。ホワイトプランのスタート以降、2007年度、2008年度と、ソフトバンクが好調を維持してきたことが見て取れます。大手3社の中での純増シェアも、同期間で常に50%前後を維持してきました。ただ、さすがのソフトバンクも、市場全体の飽和環境には勝てず、年次で見ると、2007年度の純増数が約270万件あったのに対して、2008年度は約200万件と、伸びのスピード自体は緩やかになって来ています

このように伸び率に陰りが見える携帯電話市場の今後のポイントを考えるヒントとして、各社のARPUと解約率の推移を、それぞれグラフ化してみました。


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グラフ右下の数字をクリックしながら、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの順に、見比べてみてください。

はじめに、全体的な傾向をいくつか挙げると、
①各社とも音声ARPUは下落傾向にある、
②各社ともデータ(パケット)APRUは上昇基調にある、
③ただし、各社とも①の下落を②の上昇では補いきれず、APRU全体(音声+データ)は下落基調にある、
④解約率は下落基調にある、、
といった点が見て取れるかと思います。

まず①~③のARPUについて考えてみます。ARPUは、基本料金、通話料金、データ通信料金含めた一人当たりの月額支払額を表していますので、契約数に加えて、携帯各社の売上に直結する重要な数字です。前述のように、契約数の伸びそのものがあまり期待できない以上、各社にとって、このARPUの重要性が今後益々増してくるであろうことは、言うまでもありません。

そのような中、ここ最近の傾向としては、基本料金や通話料金の割引の影響で音声ARPUが減少する(①)一方、コンテンツの充実等で各社共にデータ ARPUの向上を目指してきたようです(②)。ただ、それでもこれまでは音声ARPUの下落のインパクトの方が大きく、ARPU全体の下落を中々抑えられないで来ているのが現状と言えるでしょう(③)。今後は、益々の料金の引き下げ競争になるのかどうか、また各社がどれだけ契約者にとって魅力的なコンテンツを提供できるかどうか、そして結果として、ARPU全体の下げ止まりに繋がるかどうか、に注目出来ればと思います。

一方、このARPUの下落を、別の形でカバーする戦略も見られます。グラフ4で明らかなように、ソフトバンクはARPU全体の下落傾向を、端末の割賦販売分の月額でカバーする戦略をとっており、それを含めた結果としての一人当たりの月額支払額は安定しているように見えます。NTTドコモやKDDIも、割賦販売は行ってはいるものの、同様の数字は公表されていないため、実際のインパクトは不明ですが、このような単純なARPUの向上策以外の戦略も、今後の注目点と言えます。

最後に解約率です。モバイルポータビリティの影響や新サービスプランの目新しさもなくなって来たのか、各社共に解約率は下落傾向にあります(④)。これは携帯各社にとっては、例えば他社からの乗り換えによる契約者数の増加が難しくなって来た事実を示すと同時に、やはり今いる契約者層に対してのサービス充実、結果としての一人当たりの支払額の増加を狙うべきタイミングに来ていることも示しているのでしょう。この実現のための各社の動きに、引き続き注目して行きたいと思います。

→関連vizlog記事:携帯・PHSの契約純増数、2年連続首位のソフトバンクに死角はあるか!?

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)



Data source: 電気通信事業者協会(http://www.tca.or.jp/database/2009/03/)、
NTTドコモ(http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/library/presentation/index.html
KDDI(http://www.kddi.com/corporate/ir/library/presentation/2009/index.html
ソフトバンク(http://www.softbank.co.jp/ja/irinfo/finance/results/index.html

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(5)小売の決算発表開始!―ニトリの好調の秘密を探る

2月決算が多い小売各社。3月末~4月中旬にかけて、その各社の決算発表が続きます。先日のvizlogでもお伝えしたように、カテゴリー毎、個社毎で、月次の数字が大きく違っていた分、決算発表にどうそれが反映されるてくるか、注目して見て行きたいと思います。まずは3月27日に、家具・インテリアチェーンのニトリの2008年度通期決算が出てきましたので、発表されたばかりのデータをグラフ化しながら、内容を見て行きたいと思います。

まずは決算数字から。この不況下でも見事に増収増益、これで22期連続の快挙とのことで、グラフ1でそのうち直近の10年分をグラフにしています。特に前期の営業利益 330.9億円(前年同期比+26.8%!)という数字は、元々の会社発表の営業利益予想が292億円であったことを考えると、それを実に 13%も上回る見事な結果です。さらには営業利益率の上昇も顕著で、2008年度の13.5%は、2000年度6.0%の倍以上と、売上成長とマージン改善を継続的に両立させている、稀有な企業とも言えそうです。 


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次にグラフ2、3(グラフ右下のボタンをクリック!)を見ながら、既存店の実績を確認してみます。初めにグラフ2で、ニトリの既存店売上高について、小売業界の中でも同じく業績好調なファーストリテイリングの数字と比較してみました。ここ数ヶ月こそ、ファーストリテイリングの好調が目立ちますが、より長いスパンで見ると、上下の変動の激しいファーストリテイリングに対して、ニトリは比較的安定的に前年同月比プラスの実績を上げ続けています。気温や天候、流行廃りの影響を受けやすいアパレル業界の特性が影響している面もあるかも知れませんが、それ以上に、ニトリの商品戦略、価格戦略が功を奏して、この安定的な実績に繋がっているのかもしれません。グラフ3で、ニトリの既存店売上高を客数と客単価に分解して見てみると、時期によってその構成を変えながら、既存店売上高全体の好調を維持してきていることが分かります。しかも、店舗数をこの5年で倍にする中で、これに成功し続けてきたのですから、その強さは本物でしょう。

さて、上述の営業利益率の向上と、既存店売上高の安定的好調維持の一番の要因が、ニトリの大きな特色であるSPAモデルです。これは企画から小売に至る全サプライチェーンを自社で手掛けるモデルで、アパレル業界ではお馴染みのこのモデルが、家具・インテリアチェーンであるニトリの好調を支えているのです(→詳しくはこちらのvizlog記事へ)。

最後に、ニトリの黄金期到来を予感させるデータを、グラフ4でご覧下さい。ニトリの営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを比較すると、ここにきてキャッシュフロー収支が黒字に転換していることが分かります。グラフ3のような継続的な出店を続けながらも、その出店コストを大きく上回るキャッシュを既存店から生み出すことが出来る好循環を、まさに前期に実現したのです。成長と投資回収の同時実現が可能な、まさにニトリの黄金期に入った証拠なのかも知れません。景気は先が見えない状況が続きますが、その中でも自らのビジネスモデルと商品・価格戦略で実績を上げられる企業、そんな企業の一つとして、今後も注目したいと思います。

今後は、4月9日にファミリーマートとファーストリテイリング(ファーストリテイリングは中間期決算)、10日に三越、13日にローソン、14日にJフロント等等、小売企業の決算発表が続きます。またアップデートして行きたいと思っておりますので、弊社vizlogに引き続きご注目ください!

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)


Data source: ニトリHP(http://www.nitori.co.jp/ir/index.html)、ファーストリテイリングHP(http://www.fastretailing.com/jp/ir/monthly/

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(4)めざせソーラーにっぽん!~太陽光発電の将来性と、それを取り巻く日本企業に注目する~

アメリカでのオバマ大統領の就任以降、環境配慮という意味でも、金融恐慌後の新産業の育成という意味でも、世界的に脚光を浴びているのが太陽光発電の業界です。以前のvizlogの通り、日本でもちょうど先週3月18日の経済財政諮問会議で、麻生首相自らが「日本は太陽光発電や電気自動車の分野で世界をリードすべきだ」と述べるなど、今後の政策的後押しも期待される有望産業だと思います。今回は、その太陽光発電に関わる企業群について、IEA(国際エネルギー機関)や太陽光発電協会のデータから、【太陽電池生産量:国別(2007年)】【太陽電池生産量:企業別(2005年、2007年)をグラフ化しました。日本、そして日本企業の立ち位置を見てみましょう。

日本の太陽電池、上述のvizlogでも見たように、導入のスピードは緩やかなものの、出荷量自体は順調に上昇してきていました。そして、グラフ1の通り、太陽電池生産量では世界でも、2位ドイツとの接戦を制して、1位の地位を何とか保っている状況です。さて、日本の1位に寄与しているような企業は一体どの企業なのでしょうか? 


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グラフの右下のボタンをクリックして、グラフ2、3をご覧下さい。どちらのグラフにも、シャープ、京セラ、三洋電機、三菱電機の日本企業4社が登場しています。ただ、両方のグラフを見比べてみると、2005年から20007年の間に、どの会社も一様にシェアを落としており、逆に欧米勢がそのシェアを少しずつ上げて来ています。IEAの資料では、上記4社の他、カネカ、三菱重工、日立、富士電機、ホンダ、昭和シェル石油等が、太陽電池、及び太陽電池モジュールの生産者として挙げられており、特にこれら日本企業の奮起が期待されるところです。 


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最後に、上記グラフ4で、製造方法をめぐるトレンドを見てみます。これまで主流であった結晶型の成長が近年緩やかになってきた一方で、薄膜型の成長が少しずつ見え始めて来ています。事実、2005年度から2007年度に至るまで、単結晶型の出荷は330.5MWから310MWに、多結晶型は 515MWから516MWに、それぞれ年度ベースではほぼ横ばいとなっている反面、薄膜型は38.3MWから80.8MWへと大きな伸びを見せています。

この薄膜型こそが、現在最も注目されているもので、今後世界的にも太陽電池総供給量に占める構成比が高まることが予想されています。薄膜型は、劣化が起きにくいというメリットがある一方、一般的に変換効率が結晶型に比べて低いため、それを高めるための技術と、実現するための大きな投資が必要です。その余力のあるメーカーは世界でも限られていることから、シャープ、カネカ、三菱重工等太陽電池メーカーや、東京エレクトロン、アルバック等製造装置メーカーなど、日本企業の活躍の余地も大きいと考えられます。

ソーラー・にっぽんの復活、ひいては「ものづくりニッポン」の復活に向けて、上記日本企業の活躍、それに日本政府の今後のアクションに、引き続き注目して行ければと思います。

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)

→関連vizlog記事:
【特集】グラフで見る日本の現状と将来:(7)エネルギーと環境の両立に向けて~太陽光発電~(2009年3月25日)
日本は京都の約束を守れるか!?(2009年1月30日)



Data source: IEA(http://www.iea-pvps.org/products/download/rep1_17.pdfhttp://www.iea-pvps.org/products/download/rep1_15.pdf)、太陽光発電協会(http://www.jpea.gr.jp/pdf/qlg_cy.pdfhttp://www.jpea.gr.jp/pdf/qlg2007.pdf

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(3)低迷する住宅・不動産市場~マンション市場回復に向け、光が見えた!?

金融危機後の景気低迷の中、住宅・不動産市場も冷え込み、こちらのvizlog記事のように、空室率も悪化の一途を辿っています。 今回は同じく住宅・不動産市場を見る上で、この空室率と並んで注目される、不動産経済研究所発表のマンション発売のデータ、特に首都圏のマンション発売戸数、契約率、さらに 3月の見込み発売戸数等の数字に注目して、マンション市場の現状と今後の展望について考えてみたいと思います。

まずは、下記グラフ1で、最新の数字を確認してみます。今週3月16日(月)発表の、2月の首都圏マンション発売は、2,509戸で前年同期比- 27.5%、実に18ヶ月連続のマイナスとなっています。同時に発表された3月の見込みの発売戸数も、3,500戸前後で前年同期比-20%強と、19ヶ月連続のマイナスが確実視されているのが現状です。

さらに、首都圏マンションの販売状況は、契約率が70%を超えると販売好調という目安があります。され、2月の契約率を見てみると・・・、61.7%で、2008年9月のリーマンショック以降低水準で推移しています。


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次に、もう少し長いスパンで、地域別のマンション発売動向と、2009年の予測値(不動産経済研究所発表)を見てみます。グラフ2(グラフ右下の「2」をクリック!)をご覧いただくと、2005年以降、昨年2008年まで断続的に全国の発売戸数が減少してきた一方で、今年2009年は、ほぼ横ばいの予測となっています。特に首都圏は+7.5%、近畿圏は+9.9%と、大都市圏での若干の回復が予想されているようです。この予測が正しければ、この 1~3月まで続く首都圏マンション発売のマイナス数字が、それ以降のどこかの段階でプラスに転じることになりますが。。。

この回復のタイミングを考える上で、有用なデータが2月発表の中に見られます。これは是非、今後も継続して着目して頂きたい数字で、翌月繰越販売在庫数です。2月末現在の翌月繰越販売在庫数は9,819戸で、実に15ヶ月ぶりに10,000戸を下回ったとのこと。3月末を睨んだ値引きによる在庫調整が進み、住宅ローン減税の拡充も含めて、発売戸数の回復に向けた下地が整ってきているように思えます。

折りしも、野村不動産アーバンネットや、大京等のモデルルームでは、来場者数が前年同期比15~30%増にもなっているとの話題もあり、回復を睨んで、この業界、そろそろ狙い目なのかも知れません。

最後に、おまけですが、グラフ3(グラフ右下の「3」をクリック!)で首都圏各地のマンション価格の推移を比較して見て下さい。この10年を見返すと、首都圏の中でマンション価格が上昇しているのは、東京都と神奈川県だけで、千葉県や埼玉県、さらにはこのグラフにはない近畿圏(近畿圏計で、99年 47.4万円→2008年47.6万円)では、ほぼ横ばい(ないし下落)となっています。単純に低く仕込んで高く売る、となると、それが通用した地域は限定されると言うことになりますが・・・。個別企業を選ぶ際のご参考まで。

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。) 

→関連vizlog記事:空室率さらに悪化して5.6%に!4年ぶりの水準でREIT価格ますます低下(2009年3月12日)



Data source: 不動産経済研究所(http://www.fudousankeizai.co.jp/Icm_Web/dcPg/Mn_Doko.html

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(2)日本の主要小売各社の勝敗レース~定額給付金は救世主となるか!?

以前のvizlog(米国主要小売各社2月既存店売上高)の通り、米国では、小売業界の1つの指標・Retail Metrics Indexが、2月に昨年9月以来の前年同期比プラスになったとのこと。折りしも日本では、定額給付金の支給が正式に確定し、少しは小売も盛り上がってきてほしいところです。今回は、上記vizlogでの米国のケース同様、いくつかのカテゴリーに分けて、日本の主要小売各社の好不調を見てみたいと思います。

まず、ピックアップした会社は、毎月SSSを会社ホームページ等で公表している中で、以下の各社です。

・コンビニ:ローソン(2261)、ファミリーマート(8023)
・アパレル:ファーストリテイリング(9983)、ユナイテッドアローズ(7606)
・デパート:伊勢丹(三越伊勢丹HD:3099)、松坂屋(Jフロント:3086)
・ディスカウント:ドン・キホーテ(7532)、ケーズHD(8282)

はじめに、グラフ1に上記日本の小売各社のSSS(各社3月10日現在発表分の最新月まで)を入れて、グラフ2にはvizlogからそのまま米国各社の数字を持って来て、比べてみます。

両者をパッと見比べて、まず第一に言えることは、米国との比較では、日本の小売業界はまだましな状態に見えます。また、米国の方が、より勝者敗者の白黒がはっきりしており、昨年6月には、10%ポイント程度の範囲内に収まっていた各社のSSSも、2月にはその差が実に35%ポイントにまで広がっている一方で、日本の各社の差は、昨年6月も今年1~2月もせいぜい20%ポイント程度です。両国民の消費動向の差もさることながら、日本ではまだ失業者の大幅増加等の影響による消費減退のスピードが、米国に比べ緩やかなのかも知れません。 


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次に、グラフ1に注目し直しながら、日本の小売各社を比較して見ます。米国ほど極端ではないにせよ、ある程度カテゴリー毎に勝敗がついているようで、コンビニが勝者、デパートが敗者というところまでは明らかです。ディスカウント系はまあまあ、アパレルは各社間で強弱が分かれそうですが、グラフ1のユナイテッドアローズを見ても、下記グラフ3でデパートの衣料品の既存店売上動向を見ても、基本的には不調な中で、ファーストリテイリングだけが勝者であるとも言えそうです。なお、ファーストリテイリングは、今週10日(火)、新たに「g.u.」ブランドで990円ジーンズの発売を発表するなど、まだまだ好調が続きそうな材料は満載です。


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さて、グラフ3に戻って、もう少しデパート不調の中身を探ってみます。衣料品に加え、身の回り品、雑貨も不調で、削れる部分は少しでも削っている感覚が伝わってきます。一方、食料品は比較的底堅く、多少単価が高いデパートでも落ち込まないのは、生活必需品と言う要素の他に、食の安心への意識の高まりもあるのかもしれません。この食料品に次いでデパート全体の落ち込みを若干でも緩和していたのが、食堂・喫茶です。3つ星レストランは無理でも、たまにはデパートのレストランでも・・・というような思いがあるのでしょうか。ここは最近マイナス幅が少し大きくなってきましたが、今後あるいは定額給付金で持ち直す可能性があるセグメントの1つでしょうし、同じことが外食企業全般についても言えるでしょう。

他に今回の定額給付金で、メリットを受けそうなカテゴリー、企業は・・・、ということで、ドン・キホーテに注目してみました。上記グラフ4(グラフ右下の「2」をクリック!)を見ると明らかなのですが、この半年、既存店売上高が前年レベルで推移する中、お客様は来るけど、なかなかお金を使ってくれない、という状態が続いていました。給付金を得た後の、ほんの少しの財布の紐の緩みが、こういう会社には大きくポジティブに働くかも知れません。

最後に、おまけ程度なのですが、グラフ5(グラフ右下の「3」をクリック!)で、ケーズHDの商品別売上高の傾向を見てみると、人々が何を必需品として捉えているか見てるようで興味深いです。比較的好調な品目を見てみると、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の、昔ながらの『3種の神器』の強さは、相変わらず健在のようです。

さて、あなたは定額給付金、何に使いますか?

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。) 

→関連vizlog記事:米国 主要小売各社2月既存店売上高 勝ち組はディスカウント、負け組みはアパレルと高級志向 格差3.5ポイントなり



Data source:
ローソン(http://www.lawson.co.jp/company/ir/monthly/2008.html
ファミリーマート(http://www.family.co.jp/company/investor_relations/monthly/index.html
ファーストリテイリング(http://www.fastretailing.com/jp/ir/monthly/
ユナイテッドアローズ(http://www.united-arrows.co.jp/ir/monthly/index.html
伊勢丹(http://www.imhds.co.jp/ir/monthly_report.html
松坂屋(http://www.j-front-retailing.com/ir/monthly.php
ドン・キホーテ(http://www.donki.com/b/ir/month.php
ケーズHD(http://www.ksdenki.com/ir/irnews.html

【特集】グラフで見るニュースとトレンド:(1)ローソンのam/pm買収-今後の注目点を探る

グラフで見るニュースとトレンド ~経済、社会、国際情勢を可視化する~

文字や数字の羅列を見ただけでは分かりにくくイメージがつかみにくい様々なデータも、グラフにすることであっという間に理解できたり、そこから投資に役立つ新しい発想に結びつけることが出来たりします。本特集では、経済・社会・国際情勢のニュースやトレンドを、動的グラフを用いて分かりやすくお伝えします。

第1回となる今回は、先週発表されて大いに注目を集めた、ローソンのam/pm買収について、グラフを見ながら今後の注目点を探ります。

まずは、現状認識から。

グラフ1をご覧の通り、チェーン全店売上を大手で比較してみると、やはりセブンイレブンの存在感が圧倒的です。ローソンの2008年2月期は約1兆4,000億円、これにam/pmの2007年12月期の約2,050億円を加えても、まだその規模の差は歴然としています。


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次に、グラフ右下のボタンをクリックして、グラフ2を見てください。昨年夏のTASPO導入以来、特に客数の増加を主因とした既存店売上の好調は続いています。これに伴い、全店平均日販もその水準を50万円台まで引き上げてきてはいますが、一方でセブンイレブンが60万円前後の日販であることを考えると、まだ引き上げ余地のある水準とも言えます。

最後に、グラフ3で営業利益率(対チェーン全店売上高)を確認してみます。スカスカなグラフにも表れていますが、セブンイレブンとローソン他3社との間には、近年少し縮まったとは言え、まだまだ大きなギャップが見られます

これら現状認識と、ローソン自体の「連結EPS成長 2008~2010年度 年約3~7%」という中長期成長ビジョンをふまえ、am/pm買収に伴う今後の注目点を考えると、
①トップラインの成長持続のために、店舗数と平均日販を引き上げられるか?
②効率化等により、営業利益率を上昇させることができるか?
という2点が大きいと思います。

まずは①について。業界自体に過当競争の懸念もある中で、特に首都圏が手薄だったローソンがam/pmを買収できた事実は、例えば自社出店で同じような店舗網を広げるのに比べて、ローソンにとって大きな価値があったことは間違いありません。また、首都圏が中心だったこともあり、am/pmの平均日販は元々中堅コンビニエンスストアの中では高かったようで、店舗、平均日販共に、①のねらいはある 程度達成できるように見えます。実際、ローソン側の発表でも、この①の点について、今回の買収で自社出店の1/3のコストでの都心部での店舗網確保が可能になり、また商品入替効果とフル改装効果で、2~3年で日販を最低10%程度改善できる、という言い方で、その効果の大きさを強調しています。

問題は②です。am/pmはそもそも好立地に店舗を持ちながら、債務超過に陥るような厳しい経営状態。ローソン発表の数字を見ても、TASPO効果でコンビニ業界全体がメリットを受けた2008年12月期も、予想ベースで6億円のみのギリギリの黒字で、対チェーン全店売上高の営業利益率は0.1%、ローソン側の期待する「2010年度以降、30~50億円の営業利益への寄与」があったとしても、その数字は2.5%程度(チェーン全店売上を現状維持と仮定)にしかなりません。この②の部分で効果を 得るためには、仕入れの一本化、物流の共通化、商品の共同開発等々、腰を据えた改革が必要になるのでしょう。

最後に、個人的には、2月の前半に出た、ローソンと同じ三菱商事系のイオンと、コンビニ3位のファミリーマートとの提携の話が、今回の話と今後どのように絡んでくるのか、大変気になるところです。同じくイオン系のミニストップも含めた、コンビニ業界の新たな再編の動きも、これをきっかけに出てくるかも知れません。引き続きこの業界に注目ですね。

(このグラフと記事は、マネックス・ユニバーシティ『マネー情報』向けに、作成、ご提供させていただいております。)

→関連vizlog記事:ローソンのam/pm買収はお買い得?1店の価値は1300万円なり



Data source: ローソンHP(http://www.lawson.co.jp/company/ir/index.html)、セブン&アイHP(http://www.7andi.com/ir/tool_co.html)、am/pm HP(http://www.ampm.co.jp/company/kaisya/

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